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水晶の龍 【すいしょうのどらごん】 ジャンル アドベンチャー 対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム 発売元 DOG 開発元 スクウェア 発売日()は書換開始日 1986年12月15日(1987年2月14日) 定価 3,400円 プレイ人数 1人 判定 なし ポイント グラフィックは非常に良い出来BGMがないのが残念おそらく本編のゲーム内容より有名なウソテク DOGシリーズ 概要 ストーリー 内容 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 伝説となったウソテク 概要 1986年12月にDOGがファミコンディスクシステムソフトとして発売したSFアドベンチャーゲーム。 DOGとしては処女作となる。また電気工事会社の1部門でしかなかったスクウェアがゲーム会社として独立後、最初に発売した作品でもある。 「龍」と書いて「ドラゴン」と呼称する。 作画には漫画家やアニメーターとして有名な佐藤元氏を起用している。 更にアニメーション制作には当時放送中だった『機動戦士ガンダムZZ』を含む「ガンダムシリーズ」はじめ現在を含めその後も数々の人気アニメを手掛けた日本サンライズを起用している。 ストーリー 時は未来。国家は惑星ごとに独立し、惑星間を結ぶ交通機関はエア・バスが用いられている。 ヒューたちの住む街は超近代的都市計画に基づいて作られ、道路が広く緑豊かで様々な人種が同居する住みよい街で、広場を中心に放射状に広がっている。 ある日の放課後、ヒューたち3人はおばばを訪ね、シンシアは「水晶の龍事件」のことを聞くがおばばは何も答えず、何かを隠していると気付くものの、それが自分たちに密接に関わってくることになろうとは知る由もなかった。 そして日曜日、ヒューはナイルと一緒にシンシアからスペースランドのスペシャルコース(シャトルでの宇宙遊泳)に誘われる。 ハイテンションで乗り回していた矢先「水晶の龍」に遭遇し、一瞬のうちに襲われてシンシアのシャトルは破壊され、ヒューもまたその衝撃に吹っ飛ばされて気が付くと見知らぬ宇宙船にいた。 そこでユージンという謎の美女と出会うことになる。彼女に送られて自分の星に戻ってきたヒューはシンシア、ナイルの行方を追うために行動を始める。 内容 主な登場人物 ヒュー・ルーカス(主人公) シニアスクール3年生の14歳。運動神経抜群な少年。 シンシア(ヒロイン) ヒューの同級生で歳も同じ14歳。おてんばな性格で、実は某星の王女でもありヒューの学校に留学している。 ナイル ヒューの親友で12歳と年下だが秀才でシニアスクール3年生(飛び級)。超能力を専攻している。テレパシーの使い手。 おばば 本名は不明で、ヒュー達からはこう呼ばれている。 ユージン 物語冒頭でヒューを助けた謎の美女。 システム マウスカーソルのような矢印を十字ボタンで動かし、グラフィックウィンドウの中で直接選ぶ方式を取っている。 アドベンチャーの代表格である『ポートピア連続殺人事件』のように、文字による選択肢は一切表示されない。 移動は矢印をBボタンで選択して、その方向に行くという形式で地名の表示などはない。 ゲームオーバー(バッドエンド)のようなものはあると言えばあるが強制的に少し前に戻ってやり直す形になるため、あまりその実感がない。 ディスク故の容量的限界のためか、序章的な部分は取扱説明書に掲載された漫画で見せている。 これが22頁と非常に濃い内容になっている。また説明書そのものが全体的に漫画仕立ての作りになっている。 そのため何も考えずソフト単体で入手していきなりゲームをはじめると、よくわからないまま襲われて始まり、ゲーム中も終始わけがわからないままになる。 コマンド コマンドはそれぞれアイコンになっている(左から以下の順で並んでいる)。 移動(アイコン・4方向を指した矢印) 移動可能な方向を選択し別のシーンに移る。 見る・調べる(アイコン・目) メイン画面中のものを見たり調べたりする。 取る(アイコン・丸いものを掴む手) メイン画面中の物を取る。 話す(アイコン・口) 相手を選んで話しかける。 使う(アイコン・親指を上に立てたゲンコツの手) 持っているアイテムを選んだ場所で使用する。 開ける・閉める(アイコン・ドア) メイン画面中にあるドアなどを開閉する。 操作する(アイコン・ボタンらしきものを押す指) メイン画面にあるもの使ったり操作したりする。 手放す(アイコン・落ちていく丸めた紙) 持っていたアイテムを捨てる。「渡す」というニュアンスでも使われる。 セーブ・ロード(アイコン・ディスク) ゲーム内容を保存したり、既存のデータを読み出したりする。 評価点 非常に大きなグラフィックのウィンドウで、またディスク初期、ファミコンでもやっと中期に入るような頃でありながらグラフィックが非常に鮮明で、描き込まれている。 特にゲーム開始に現れるパッケージイラストそのままの「水晶の龍」の登場から、そのインパクトは絶大。 様々な背景があるが、いずれも非常に細かい部分まで描き込まれている。 上記の通り、グラフィックウィンドウから直接選択する方式も、このような鮮明なグラフィックあってこそできるものだろう。 スクウェアは本作以前にもPCで『Will -The death trap 2-』や『アルファ』でグラフィック面で非常に高い評価を得ており、面目躍如と言ったところ。 少女漫画風のキャラをはじめ、佐藤元氏によるカラー漫画を見ているような感覚で楽しめる。 ストーリーの出来も際立って秀逸とまではいかないものの、それなりに良くできている。 賛否両論点 全体的にノーヒント。 アドベンチャーなのに進行に纏わるヒントが少ない点は理不尽に思えるがCMでも「君の頭脳にチャレンジ」とあるように、プレイヤーの直感や判断力を試すという意味では間違いではない。 しかも、後述の通りクリアまでストレートに進めると短すぎてやり甲斐もヘチマもないので、ゲームとして成り立たせる点と見ることもできる。 もっとも当時のPCのADV界隈では進行がノーヒントなのはよくある事で、後述のBGMの問題も含めてPCゲームの空気感をファミコンに持ち込もうとしていたのだと思われる(*1)。 独特なコマンド方式。 特に移動が移動対象の名前が出るのではなく、グラフィックウィンドウに表示された矢印で選ぶと言う方式になっている。 慣れない方法なのでやりづらい点もあるが、街中の背景などでは、その位置関係などがイメージしやすいという利点もある。 問題点 タイトルとエンディング以外BGMがない。 いくらまだファミコンがブームに乗ったばかりとはいえ前年にはアクションゲームなどでもゲーム中のBGMはあって当り前も同然で、アドベンチャーとして大事な部分であるためそれがないのは今一つ盛り上がりに欠ける。 この頃にBGMがまったくないゲームはアクションやシューティングでもほとんどない。 当時のPCのADVはBGMが無いものが多く、それに倣ったと思われるがファミコンのユーザー層には受け入れられづらかった。 メッセージが一括表示なため、見る前に誤操作で送ってしまったりしやすい。 また、同じメッセージが表示される場合、再表示されている感じが全くないので、それが操作によるものか元々あったのが残っているだけなのかがわからない。 ストーリーの質は悪くはないが短かさが顕著。 実際完全解答でストーリーを進めてしまうと20分かからず終わってしまうほど。 ゲームのプレ部分にあたる内容が付属の漫画で語られているため、ゲーム単体で見た場合は導入部がやや不親切。救出対象の2人に関しても途中幻影で現れるシンシアはともかく、テレパシーでしか交信できないナイルはエンディング一枚絵でしか姿を見ることができず、若干割を食っている。 総評 アドベンチャーとして重要なグラフィックに関しては文句なしのクオリティで、ストーリーも短いながら決して悪くはないが、BGMがないせいで盛り上がりに欠ける点は非常にもったいない部分である。 ゲーム進行でノーヒントな部分に関しては物語を楽しむアドベンチャーとして考えると欠点に思えるが、そこはアクションゲームにも似た直感で判断するものと取ることもできるので賛否両論だろう。 まだアドベンチャーゲームが確固たる地位を築く前の作品ということもあり全く違ったシステムにチャレンジした姿勢は高く評価できクソゲーと呼ぶほどひどいものではないが、まだまだ名作と呼ぶには程遠い出来である。 実際現在を含めてレトロゲームブーム本格化後でも本作が注目されるのは後述のウソテクばかりでゲーム本編はそっちのけな傾向にある。 余談 本作の作画を担当している佐藤元氏は当時『月刊少年チャンピオン』(秋田書店)で『ファミコン探偵団』を連載していた(*2)。 上記作品ではアイドルグループ「少女隊」をモデルにした「少女隊(正式名称「少女探偵隊」)」が登場する。同氏は「少女隊」のメンバー「トモ」こと引田智子のファンということもあり取扱説明書のゲーム操作説明の漫画にゲスト出演させている。またモブ同然ながらゲーム本編でも登場する。 実在人物が絡むためか、その後移植や配信など一切されていない。 本作とそっくりなアイコンコマンドのシステムを採用したアドベンチャーゲームとしては1988年1月にサンソフトから発売された『リップルアイランド』がある。 伝説となったウソテク 本作を語る上で欠かせないのが『ファミリーコンピュータMagazine(通称「ファミマガ」)』のウソテク(*3)である。ある意味本作のネームバリューはこれあってのものと言い切っても過言ではない。 それは1987年第2号(2月6日号)で紹介された本作の「シンシアと野球拳」であり、そのインパクトは絶大だったようで、現在でも「ウソテクと言えば『水晶の龍』の野球拳」とほとんどの人に言わしめるほど(*4)。 当然ウソなので実際はできないが、やり方はパッケージ裏のシンシアの写真と同じシーンでシンシアの手を調べると、コマンドアイコンが「グー」「チョキ」「パー」となり選んでジャンケンし、勝てば1枚ずつ脱いでいくというもの。写真ではスカートを取ってブラウスのボタンを外させるところまで。この通り非常に簡単なやり方(試し方)なので、翌号の解答発表で「やっぱりすぐわかったかな?」と言われていた。また、実は続きの写真がもう1枚作られたが、あまりに過激なので掲載は出来ず、ハイスコアコーナー担当の机に眠っているという事も書かれた。 これが見たくて買ったのに(*5)ウソテクと知ってブチ切れた人がいたなど、いろいろこのウソテクに纏わる逸話も多い。しかし、その割には対象週から翌号までの週で売上ランキングでは本作が急浮上して再ランクインしている様子がないので、ブチ切れたと言う人を嘘吐きとまでは言わないが少数派だったであろう事がうかがえる(*6)。そもそもどれか一つはウソテクである事が明言されていたわけだし。 中にはこのウソテクを再現しようと、後年になってFlashや『メイド イン ワリオ』で「シンシアの野球拳」を作った猛者が何人も存在するほど。 このウソテクが有名すぎるのと、移植がなかったせいもあってかリアルタイム世代以外では「ゲーム本編は知らないけど、野球拳は知ってる」は元より、果ては「野球拳のゲームと思っていた」という人も珍しくない。 また、この件でファミマガ編集部はおろかキャラデザの佐藤氏にまで問い合わせが殺到したようで、中には「ウソ技に関与していたのではないか?」と誤解されたこともあったと言う(*7)。 後に佐藤元氏がキャラクターデザインを手掛けたPS1ソフト『SIMPLE1500シリーズ Vol.101 THE 銭湯』では銭湯にやってくる客として湯人(ゆーじん)と深志谷(しんしや)というキャラが登場する。 言うまでもなく本作のヒロインのパロディである。 深志谷は 全国野球拳選手権の連続優勝者 という設定で なんと野球拳で勝負が出来る。 しかし結局勝っても脱ぐことはないのであった…。 CMはのっけから上記の野球拳と同じシーンで始まっている。 + CM
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夢幻の心臓 【むげんのしんぞう】 ジャンル RPG 対応機種 PC-8801/mkIISRPC-9801MZ-2500 発売・開発元 クリスタルソフト 発売日 【PC88】1984年3月【PC98】1984年【MZ-2500】1985年 定価 ディスク版 8,800円テープ版 4,800円 配信 プロジェクトEGG 2015年7月21日/770円(税込) 判定 なし 夢幻の心臓シリーズI / II / III 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 クリスタルソフトの代表作である『夢幻の心臓シリーズ』の第1作目で、国産RPG黎明期の作品のひとつ。 死の間際、神々に呪いの言葉を発した主人公が、「夢幻界」と呼ばれる剣と魔法の世界に落とされ、蘇る方法を求めて冒険をする。 後の『ドラゴンクエスト』に先駆けて見下ろし型のフィールドとターン制バトルのオーソドックスなシステムを採用している(どちらかと言えば『ウルティマ3』がベースである)。 特徴 ゲーム開始時はプレイヤーネームの入力が求められ、一覧にない名前を入力すると新規セーブデータが作成される。 再開時にもプレイヤーネームを入力することでセーブデータを呼び出す。なお、キャラクタークリエイトはなく、ステータスは固定。 仲間は存在しない一人旅となっている。 前述通りフィールドは見下ろし型で、歩いていると敵とランダムにエンカウントする。 移動はテンキーで8方向に移動でき、テンキーの5を入力するとその場で休憩して耐久力(HP)を1回復できる。ただし、町の上以外で休憩した場合はエンカウントする可能性がある。 一方、ダンジョン内では『Wizardryシリーズ』のような疑似3Dダンジョンを探索することになる。 町の中はコマンドの中から行きたい施設を選択するADV方式。店などの各種施設の他、広場で金を払えば情報を教えてもらえる。 本作には日数制限があり、30,000日以内にゲームをクリアする必要がある。フィールドで10歩歩く、もしくは休憩すると1日が経過する。 戦闘はターン制のコマンドバトル。素早さの概念はなく、『ドラゴンクエスト』のように1対1で交互に行動する。 攻撃方法は武器や素手を使った通常攻撃と、魔力(MP)を消費して使用する魔法の2種。魔法の中にはステータスを上下させる補助魔法も存在する。 戦う以外に「会話」を行うことが可能で、人型の敵であれば攻略のヒントを教えてくれることもあるが、先制攻撃されてしまうこともある。 「逃走」を選べば一定確率で逃げることが可能。逃走の成否に関わらず、経験値を一定量失ってしまう場合がある。 他に「隠れる」コマンドがあり、成功すれば逃走するか不意打ちするかを選択できる。ただし、「逃走」より多くの経験値を失ってしまう。 プレイヤーにはレベルの概念がなく、城などで修行してステータスを直接強化していくことになる。 修行でのステータスの強化には金が必要となり、日数も経過する。例えば攻撃力の修行なら一日金貨5枚を消費して1ポイントを上げられる。修行する日数は好きに決められる。 ただし、修行で上げられるステータスには上限があり、それ以上の強化のためには特殊なアイテムを入手した後、経験値を変換する必要がある。 体力の最大値は病院で金を支払うことで1.1倍ずつ上げられる。 攻撃力と命中率は体力の値が関わっている。体力が増えるごとに命中率が上がり、敵にダメージを与えていくごとに敵から受ける通常攻撃のダメージが減っていく。逆にこちらが瀕死では攻撃が命中せず当たっても低いダメージ、ということになる。魔法攻撃は体力値に関係ない。 魔法もとある場所にある魔術師の館で金を払って教えてもらうことになる。 覚えたい魔法を選んで対価を払うのではなく、支払う額に応じた魔法を教えてくれる方式なので、ノーヒントではいくら払えば望みの魔法が手に入るのかがわかりにくい。 また、同じ額で教えてもらえる魔法が複数ある場合、決まった順番で入手する。例えば金130で入手できる魔法は「攻撃魔法」「宝箱の解錠」「回避力上昇」「攻撃力上昇」の4種類あるが、必ずこの順番で教わることになる。 「攻撃力」は通常攻撃の威力の他に命中率にも影響がある。「回避力」は名前の通り敵の攻撃を回避する確率に影響する。 「防御力」という概念がなく、防具を装備して上昇するのはこの「回避力」。また、魔法も防御力を上げる物はなく、回避力上昇や敵の攻撃力を下げる効果の物がある。 回避力上昇の魔法は「精霊よ我が盾となれ」。文字通り盾にすることで被弾率を下げるのだろうか? 移動中にテンキーの0でコマンドメニューを開く。装備の変更や魔法の使用、町やダンジョンに入る際などに使用する。 セーブを行うのもここから。本作のセーブはゲームの中断になっており、セーブが終わるとタイトル画面へ戻る。 評価点 ビジュアル面 エンカウントした敵や町の風景が画面右上のメインスクリーンに大きく描画されるようになっており、ADVゲームのような雰囲気を高めるのに貢献している。 当時のADVゲームで多用されていたライン ペイント(*1)を採用しているためカクカクした絵ではあるものの、部位ごとに色味を変えたりBL影(*2)を多用することでカラフルさと質感を表現しており、クオリティは高い。後述のような問題もあるが、ビジュアルの良さで補っていると言える。 世界観も神を呪ったことで現世と死後の間にある世界という独自の世界観で、登場する人物たちも主人公同様、夢幻界からの脱出を目指すライバルという設定になっている。このため道行く全ての人々と敵対する殺伐とした状況に説得力が持たされている。 30,000日という制限時間も現実の時間で換算すれば人の一生にあたる約80年になる。こう考えるとなかなかリアリティがある。 謎解きの難易度は易しめ 町で情報を集めれば攻略に必要なアイテムや、そのアイテムが置いてある場所の情報などを教えて貰えるし、フィールドでエンカウントする人間キャラからは近くの町やダンジョンの方向と距離を教えてもらえるので迷いにくいなど、当時のRPGの中では自力攻略がしやすかった。 当時としては珍しく周囲のマップを確認できる魔法で3Dダンジョンのマップも確認できるため、マッピング不要で迷いにくいのも良点。 一見すると少なく感じる制限日数も、実際は割と余裕があるため問題にはなりにくい。 賛否両論点 ゲームバランス 敵のステータスが乱数で変化するようになっており、乱数によっては同じ敵でもどうやっても勝てないようなステータスになる事があるため油断できない。最弱のザコである「農民」相手でも負けてしまうこともあり、慎重に立ち回ることが要求される。 また、装備品が一定確率で壊れてしまうため、序盤に装備を整えるのは安物買いの銭失いになりやすく、初期資金はステータスの強化に使った方が良い。当然、初回プレイでは気付けないためRPGのお約束である装備を整えることが罠になっている。 もしもゲームオーバーになってしまうと、セーブデータが消去されてしまう厳しい制約が存在する。一応、消去される前にフロッピーを抜いたり、プロテクトシールを使えば防げるので、こまめにセーブしながらリセット技を駆使して慎重に進めるプレイングが標準だった。 これらのため特に序盤のバランスが悪く、最初はひたすら稼ぎに邁進することが求められるバランスとなっている。 序盤の稼ぎさえ終えればそこそこ快適に進められるようにはなるが、その頃にはステータスも上限近くになっているため敵と戦う意味はほとんどなくなってしまう。 新しい武器を入手する楽しさがない 序盤から王に貢物をすることでもらえる「龍の剣」の攻撃力は32、後にイベントや謎解きで手に入る「聖なる剣」と「炎の剣」の攻撃力は30。苦労して手に入れてもステータス上はがっかり感しかない。 この「龍の剣」が最強武器。本作は一定確率で武器が壊れるが、王に貢げば「龍の剣」は何度でももらえる。 問題点 テンポの悪さ 前述のように本作は敵のビジュアルなどが評価されたが、一枚の絵を描画するのに10秒程度の時間がかかってしまう。 エンカウントすれば10秒かけて敵を描画し、戦闘が終了すれば10秒かけてクリスタルソフトのロゴを描画、町に入れば10秒かけて町の景観を、店に入ると商人の姿を……と言えば、どのくらいテンポが悪いか伝わるだろうか。 また、本作のメインプログラムはBASICで書かれていたため、全体的な動作速度が遅いことも拍車をかけていた。特に街の各施設は別々に用意されたプログラムを実行速度の遅いマージ命令で連結していたため、さらに時間がかかっていた。 一応、コマンドの「グラフィック」をOFFにすれば塗りつぶしをキャンセルして描画速度を早めることが出来るが、あまり有効には働いていない。 前述の通り、セーブするごとにタイトル画面に戻されるのが地味に面倒。 本作の難易度は非常に高いため、リセット技を使うためにもマメにセーブするべきだが毎回タイトルに戻されるのはストレスが溜まる。 全体的に消費アイテムが使いにくい 耐久力は最大1,000まで増えるのに対し、回復アイテムである傷薬の回復量はたったの5で固定。あまりにも微量すぎる。 一応、日数を消費せずエンカウントもせず回復できるというメリットはあるが、費用対効果が伴っておらず、金欠になりやすい本作では使い勝手が悪すぎた。回復魔法も同様に1回5ポイントしか回復できないが、経験値を変換して魔力を回復できるのでアイテムより使い勝手は上。 洞窟内では暗闇を照らすための明かりが必要となるが、ランタンを使用する場合は別途アブラが必要になるし、ロウソクや松明は1度限りで消費される。結局、明かりを点ける魔法を覚えた方が良い。 アイテムは10個しか持てない上、同じアイテムでも纏めることが出来ないのも使いにくさの要因となっていた。 総評 当時世界的にヒットした『ウィザードリィ』と『ウルティマ』を折衷した良好なゲームデザインで後続作品へも影響を与えた一作(*3)。 黎明期ゆえに未成熟な部分が目立ち、描画や動作速度の遅さ、システム的な面が面白さをスポイルしがち。 しかし、当時の不親切だったPCゲームの中では親切な部分や魅力的な世界観を有しており、全体的には佳作といったところに納まっている。 クリスタルソフトは本作で得た経験を活かして大幅に改善された次回作『夢幻の心臓II』をはじめとする良質なRPGを送り出していった。 余談 前述のようにBASICで開発されていたため、PCマガジンの誌上にプログラムリストが掲載されていた。 製品版でもPCに搭載されたBASICからプログラムデータをロードすれば簡単に中を覗くことが可能。やろうと思えば改造も簡単に行えるようになっていた。 「魔王」という名の雑魚がいる。 通常「魔王」と言えばラスボス、あるいは大魔王がいる場合の中ボスクラスなのが定石だが、本作はランダムエンカウントの雑魚敵でしかない。 + そんな本作のラスボスは(ネタバレ) 存在しない。ラストダンジョンで最後の紋章を手に入れ最後の部屋に入ればクリアとなる。 主人公の目的は巨悪を倒す、や世界を救う、ではなく「夢幻の心臓」を手に入れ夢幻界から脱出し蘇ることなので、当然と言えば当然なのだが。 なお、ラストダンジョンにはバドーというかなり強力な敵が要所に固定配置されている。逃げることもできるのでスルー推奨だが、最後の部屋の前には二体配置されているので、やりこんだプレイヤーはこれをラスボス戦としてあえて戦う、といった楽しみ方をする者もいる。 2022年4月8日にプロジェクトEGGにて『ザ・トリロジーズ -T E SOFT / XTAL SOFT COLLECTION-』というパッケージ版が発売された。 本作シリーズの3作の他、ハイドライドシリーズ、スターアーサー伝説シリーズ、『クリムゾン』シリーズや『ルーンワース』シリーズといった80年代の名作RPGやADVを収録。 初回特典には復刻マニュアルや当時の開発資料のPDFデータ、『T E SOFTシューティングコレクション』と銘打った『レイドック』シリーズなどのSTG6本なども同梱された。
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デジモンバトルクロニクル 【でじもんばとるくろにくる】 ジャンル アクション 対応機種 プレイステーション2Xboxニンテンドーゲームキューブ 発売元 バンダイ 開発元 ブラックシップ 発売日 2004年7月29日 定価 7,140円 判定 クソゲー ポイント 劣悪なバランス理不尽なギミック&アイテム全体的に原作無視全体的に漂う洋ゲー臭 デジタルモンスターシリーズ 概要 操作キャラクター 問題点 ゲームシステム ステージ・アイテム 評価点 総評 余談 概要 『デジタルモンスター』シリーズの歴代アニメ作品を題材とした2D対戦格闘ゲーム。最大4人対戦が可能。 どちらかというとスマブラ系統のゲームで、ボタンと方向入れで技が出せたり、ギミック付きのステージがあるなど意識している部分は多い。 ただし、スマブラとは違い体力制を採用している。また、一部のギミックにより一撃死ということもある。 デジモンのゲームは『デジモンワールド』や『デジモンワールド デジタルカードアリーナ』など名作もあるのだが、それは初期の話。 似た構成の対戦アクションとしては、『デジモンテイマーズ バトルエボリューション』のように荒削りながら原作愛に溢れたものもあった。 しかし、人気低迷期に発売されたこのゲームはパチタルモンスターと言っていいほどの出来だった。 操作キャラクター 「デジモンアドベンチャー(無印)」からは仲間達全員が参戦しているが、「02」からはブイモン、「テイマーズ」からはギルモン、「フロンティア」からはフレイモンのみと、「無印」以外の作品からは主人公以外ほぼ参戦していない。 隠しキャラはオメガモン、ディアボロモン、ネーモン、ダスクモン、ベリアルヴァンデモン、ブラックアグモン、ブラックガブモン、ブラックギルモンがいる。 デジモンの進化系譜は本来「幼年期→成長期→成熟期→完全体→究極体」で構成されているが、アニメで究極体が登場しなかったデジモンの救済のためか、本作では 「成長期→成熟期→究極体or完全体」の3段階 に統一されている。この仕様上、究極体と完全体で強さは変わらない。 問題点 いろいろと設定を無視&謎仕様な内容の数々。 ブイモンの系譜がブイモン→フレイドラモン→インペリアルドラモンとなっている。フレイドラモンはブイモンが「勇気のデジメンタル」で進化した姿で系統がやや異なっており、一方で成熟期のエクスブイモンも存在するため、ブイモン→エクスブイモン→インペリアルドラモンの方が系譜的には正しい。 アグニモンは、劇中では僅かしか出てきていないフレイモンを成長期としている。ここはまだ許容範囲と言えるが、そこからの進化がフレイモン→アグニモン→ヴリトラモンとおかしな設定になっている。 何が問題なのかというと、ヴリトラモンはアグニモンからスライドエボリューションする、いわばフォームチェンジ的な形態変化であるため、他の最終形態と比較すると戦力的に大きく見劣りしているのである。なお、本来であればアグニモン(及び変身者の神原拓也)の最終形態はスサノオモンであり、さらにその間にはアルダモンやカイゼルグレイモンといった中間形態にあたる存在もいる。これだけ選択肢がある中、何故ヴリトラモンをチョイスしたのか謎。 これらの進化形態のチョイスに関しては、「アニメで出番の多かった形態を優先した」「系統的に違和感がないから」といった理由を捻り出すこともできるが、やはり設定面での違和感が目立つ。無理に3段階進化で統一せず、キャラ毎に進化システムを用意するなどの調整が欲しかったところである。 技名の間違いが多い。アニメーションと比較すると、一部の技の名前が入れ違いになっているものもある。 酷い間違いの例としては、デュークモンの大技「ファイナルエリシオン」が、本作では「シールドアタック」というなんとも言えない技名になっている。技名の入れ違いは上記のフレイドラモンが該当しており、進化ルートとしても首を傾げざるを得ない上に技名を間違えられるという救いようのない有様。 技のエフェクトも全体的に非常にショボイ。ウォーグレイモンの「ガイアフォース」などは原作の面影がない、チンケなものとなっている(*1)。 ディアボロモンはアニメでは喋らないはずが本作では喋る。担当声優は千葉繁氏と何気に大物を使用。 後述のオメガモンと違い、後の作品で台詞を与えられた作品もなく、完全に本作独自のキャストとなっている。 オメガモンの声優が、「無印」「02」での坂本千夏氏&山口真弓氏のコンビではなく田中秀幸氏になっている。 ただし、田中氏は後に公開されたCGアニメ「DIGITAL MONSTER X-evolution」でもオメガモンの声を担当している。同作は当初劇場公開予定だった作品を後にTVスペシャルとして公開したもので、製作自体は早い段階で完了していたとされる。本作のキャスティングはこれに準拠したものと思われる。 ネーモンは「フロンティア」において旅に着いてくる非戦闘員であったが、本作では下品な攻撃をするネタキャラとなっている。 ネタキャラポジションはキャラゲーでは珍しくないが、原作再現をしているとは言い難い性能。第一に ネタキャラが喜ばれるのは他の参戦キャラが十分に揃っていてこそ である。ネーモンは別段人気キャラでもないため、非戦闘員でもあるコイツが枠を一つ食っていることは純粋に疑問。 また、「テイマーズ」からは唯一敵役が一体も参戦していない。本作の後、設定を変えて再起用されるほどの屈指の人気デジモンであるベルゼブモンなどの参戦もなし。 ダスクモンは「フロンティア」の敵役だが、「無印劇場版」の大ボスのディアボロモン、「02」のラスボスのベリアルヴァンデモンが参戦している中、物語中盤で退場した敵(*2)が参戦しているのは賛否両論。とはいえダスクモンは後に仲間入りする輝一が進化した姿であり、「テイマーズ」のベルゼブモンに近い立ち位置なので「ライバルキャラ」のチョイスとしてはそれほどおかしくはない。本来の形態である「レーベモン」もいるにはいるが、こちらは仲間入り後の姿である。 ベリアルヴァンデモンは、本作では「ヴェリアルヴァンデモン」と微妙に表記が間違っている。さらにゲーム中のデジモン図鑑で「ベリアルヴァンデモンは七大魔王の一人である」と誤った解説がなされている(*3)。 ブラックアグモンの最終形態ブラックウォーグレイモンの背中に勇気の紋章が描かれているが、本来は無地(*4)である。加えてブラックウォーグレイモンの声優は「02」での檜山修之氏ではなく、ブラックアグモンの坂本千夏氏のまま。モデリングの流用に加え、声優へのギャラを渋ったとしか思えない手抜き仕様である。 「別個体だから」という解釈もできなくはないが、そもそも他の無進化キャラクターのようにブラックウォーグレイモン単体で参戦していればよかったとも指摘されている。 ブラックガブモン、ブラックギルモンに至っては原作アニメに登場すらしていないという露骨なまでの水増し要員。ネーモンといいこの二体といい、他に出すべきキャラがいくらでもいたはずである。 ブラックアグモン、ブラックガブモンはそれぞれ進化系ともども元から存在している(カードゲーム初出)派生種だが、ブラックギルモンは今作にしか登場していない(*5)。 ゲームシステム HPを0にすればライフが減り、攻撃を受けると放出される水晶を集めて溜まる「進化ゲージ」を利用して下記の行動をとることが出来るのだが、全体的に調整不足。 進化ゲージは最大まで溜めきれば一段階進化できる他、ゲージを消費してHPを回復することが可能。最終形態時はゲージを0にして超必殺技を放つこともできる。 本作ではライフが減ると進化が一つ下の段階となって復活する。そのため「相手を倒す→倒された側の進化が一段階減る→倒した側は水晶を回収しゲージ溜め」という一方的な展開が起こりやすい。 普通のゲームならライフが減ると一定時間無敵になって復活するが、本作では無敵時間が皆無。 グレイモンやグラウモンなどの炎を吐く攻撃は、相手の無敵時間が無いおかげで延々と当たり続けて動きも止められるため、これで水晶を集めるワンサイドゲームになりがち。 隠しキャラで登場する無進化デジモンは進化の概念がないため、超必殺技を実質的に3分の1の労力で放てる上、低リスクでゲージを回復に回すことができる。このため無進化デジモンが非常に強く、この点でもゲームバランスが悪い。 原作における人間のパートナーキャラは戦闘中一切出てこない。デジモンといえば「人間とデジモンの絆」が共通のテーマと言えるはずの作品なのだが…。 上記した進化演出も、デジモンが自ら「進化」を宣言するだけと地味。パートナーが出てこないのはもちろん、ジョグレス進化やスライドエボリューションといった細かな違いも表現されていない。 妙にテンションの高い英語実況のシステムボイス。とてもアニメの雰囲気にそぐっているとは言えないものである。 それに対してBGMは全体的にテンションが高いとはいえず、対戦を盛り上げる要素にはなっていない。 同キャラ対戦ができない。 色替えという概念をそもそも設定していないためだろう。ある意味性能がほとんど変わらないアグモン・ガブモン・ギルモンとそのブラックの関係性は同キャラ対戦に値するのかもしれない。 ただそいつらも一部性能が異なるため、万全ではない。 ステージ・アイテム 本作独自の要素が強く、どれもこれもデジタルワールド感の薄いステージばかり。 アニメのBGMがひとつも使われていない。ステージ(世界観)やBGMは独自のものとなっている。 デンジャータウンのトロッコに 触れると大ダメージ 即死。 悪夢のトイタウンでは無敵の巨大アヒルが炎をステージに吐く。 この他のステージも理不尽ギミックがあり、そもそもギミック無しのステージが無い。 アイテムを取得することで発生するイベントも、「おやすみ!」や「いなづま」など、ステージに同じくデジモンと無関係な内容が多い。 唯一デジモンらしいイベントと呼べるのは「ファントモン」。ただしその内容は「 現れたファントモンに触れると即死 」と大味。 中でも「ピニャタ・パーティー」というイベントが発動すると、HPが全回復すると共に デジモンがサイケデリックな色のロバになる 。意味がわからない。 ちなみに「ピニャタ(ピニャータ)」とは、メキシコや中南米のお祭りに使われる玩具やお菓子を詰めた人形。マイクロソフトから『あつまれ!ピニャータ』というゲームも出ている。 デジモンでこれをやる意味は全くないが。 評価点 グラフィックに関しては頑張っている方。 一部どこを向いているかわからないキャラ(ブイモンなど)がいるが、一部の設定無視を除けば比較的質感は悪くない。 オメガモンをスペシャル版のものと踏まえるのであれば、インフェルモンとブラックウォーグレイモンを除き、キャストが全てアニメ準拠であること。 特にジョグレス(合体)体であるインペリアルドラモンの声の再現のためだけに、ジョグレス相手であるスティングモン役の高橋直純氏をわざわざ呼び寄せたのは、謎な仕様が多い本作にしては細かい配慮である。 現状、対戦アクション形式のデジモンゲームで「無印」のメインデジモンが全て参加しているのは本作だけである。 逆に他のシリーズファンにとっては残念なラインナップと言えるのだが。 総評 全体的にとてもひどい出来。あまりの原作無視っぷりに「デジモンをあまり知らない人が作ったのではないか」という批判が多く、後述の開発環境を見る限り、実際にその通りなのでは…とまで言われるほど。 単体の対戦アクションとしても全体的に粗い作りで、さらに洋ゲー感の強いデザインとデジモンシリーズとの噛み合わせの悪さも否めない。 この後に「デジモンセイバーズ」や「デジモンクロスウォーズ」などの新作アニメも多数製作された現在において、国内で最後に発売されたデジモンシリーズの対戦アクションがこのような作品であるのは、何とも悲しい話である。 余談 当時はデジモンのブームが過ぎており、本作もこのような出来故に猛スピードで値崩れが起きたようである。 こんなわけのわからない出来になっているのは、本作が 海外の会社によって製作された洋ゲー だからというのが要因であると考えられる。事実、同じく洋ゲーである『デジモンレーシング』は、本作以上に救いようのないクソゲーっぷりを発揮している。 後の2014年に、海外のみだがデジモンの対戦ゲームとして『Digimon All-Star Rumble』 が発売されている。
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E.T. The Extra-Terrestrial 【いーてぃー じ えくすとら てれすとりある】 ジャンル アドベンチャー 対応機種 ATARI2800 発売・開発元 ATARI 発売日 1983年 判定 クソゲー ポイント 作業ゲーE.T.に見えないE.T.エリオットがE.T.と何故か融合起動しない物も混じってるアタリショックの引き金と言われる作品しかし「失敗に終わった意欲作」と評価する声も 北米版クソゲーワースト1位 (→参照) 概要 特徴 問題点 賛否両論点 評価点 総評 市場にもたらした影響 余談 動画 概要 10歳の少年エリオットと地球外生命体(Extra Terrestrial)との種族と星を超えた絆を描いた映画「E.T.」。 1982年にスティーブン・スピルバーグ氏が世に送り出し、映画史にその名を刻んだ名作映画をATARIが版権を取り直々にゲーム化。 しかしその出来はクソゲー史にその名を刻むあまりにお粗末なものとなってしまった。 特徴 E.T.を操作して、ゾーンというゲームステージの中に散らばった通信機の部品を3つ探し出し、通信機を直してE.T.が宇宙に帰れるようにすることが目標である。 ゾーンには無数の穴があり、通信機の部品は穴の中にあるので、穴に落ちて探す。 部品がある穴はランダムで決まり、毎回場所が違う。 科学者はETを連れ去ろうとする。FBI捜査官はE.T.の集めたアイテムを取り上げてしまう。 E.T.はライフがあり、ETが行動すると減る。全てなくなるとゲームオーバー。一部のゾーンでは、E.T.が特定のアイテムを所持している時に特殊行動を使用できるが、この特殊行動でもライフが減る。また、回復アイテムのReese s Piecesによって回復できる。 回復アイテムのReese s Piecesを9つ集めると、友達のエリオットが装置の部品を1個、届けてくれる。 問題点 UFOのパーツを探すという作業ゲー。 そもそも部品を探して穴にもぐるという内容が非常に単調で、初見でプレイヤーの意欲を削ぐ。 穴に落ちてしまうと、空中浮遊でのろのろと脱出しなければならない。さらに穴に出ても、穴の当たり判定が厳しく、すぐに落ちやすい。他のゲームで搭載されている敵ダメージ時の無敵状態のようなものがなく、穴から出たり入ったりを繰り返すハマりやすい状態になるため、非常にストレスが溜まる。 しかも穴がやたらと多い。上述のように部品の配置はランダム制であり、全ての穴を調べる必要がある。そのくせ行動しすぎて体力がゼロになるとゲームオーバーという仕様。 さらに敵は穴を平気で渡ってくる。 E.T.の体力が尽きると何故かエリオットが融合して復活。 グラフィック そもそも原作では茶色のETが 緑色 である。とてもETとは思えない。 クリア条件 苦労してパーツを集めた後は本来仲間の宇宙船を呼んでクリアとなるのだが、科学者やFBI捜査官がいない時でないと呼べない。 宇宙船を呼んでも正確な位置と正確なタイミングで待っていないといけない。しかも時間制限がある。 さらにその間に科学者やFBI捜査官が出てくると宇宙船が来なくなる。 バグ 宇宙船が来ないというバグに陥る事がある。 更に酷いものになると、ゲームデータが破損して2度とプレイできなくなるというバグもあるらしい。 この内容の上、中には 起動しない という正に商品未満の代物まで紛れ込んでいた。 当時は更新データの配信 ソフトの無償交換が絶対 と言えるほどの酷さにもかかわらず、その対応が全くされなかった。 賛否両論点 実は説明書にワープ・アイテムサーチ等の特殊行動や記号・アイテムはちゃんと書かれており、それを読めば割と普通にプレイできる。その為「とっつきにくく、操作に癖があり、把握も困難だが面白い」という声もある。 しかし当時説明書を読まないとプレイが難しいゲームという物は殆ど無かった事、$50と高め(当時の平均は$25~$35位)であった事が災いし、ボロクソに叩かれる結果となってしまった。「ファミコンで例えるなら下知識無しに『ボコスカウォーズ』をプレイする様な物」とも。 実際、日本でも「マイコン★ボックス」(月刊ファンロード別冊・1984年/ラポート発行)のATARI2800レビューでは「移動とアイテム集めでパターンをクリアしていくのはアタリ独特のもので、ストーリー性もあって、おもしろい」と結構好意的な評価をもらっている(もう一人のレビュアーは「途中でうんざりして放り出した」とコメントしているが……)。 ただ、中身がE.T.らしいかというと、これにはどうしても否定詞が付いてしまうのを避けられない。 雑な背景等の低レベルなグラフィックである。ただし、ATARI2800のゲームとすれば許容できる範囲ではあるという声もある。 評価点 起動画面のETの一枚絵は(ATARI2800という事を考慮すれば)中々の書き込み様。 当時は無許可でキャラクターを使用することも珍しく無かった中、版権をちゃんと取得している(余談も参照)。 しかしやはり、それに時間をかけすぎてしまったのがマズかったと言わざるをえないだろう。 総評 先述してあるとおり、ゲームとしての出来は(バグを除けば)決して擁護不能と言うレベルではない。 「高い上に150万本も売れたが、その割に微妙だった」「出荷しすぎて売れ残った」「アタリショックの引き金を引いた(という説がある)」「売れ残って埋められた」……といった要素が、過剰に悪評価を招いている所がある(余談も参照)。 出来のみを論じて「最悪のクソゲー」かと言われると、微妙な所。 まぁ、だからと言ってクソゲーではないかと言うとそんな事は断じてないのだが…。 市場にもたらした影響 本作が発売する以前からアタリ社が発売していた名機「ATARI 2600」にアクティビジョンがサードパーティとして参加して以降、ブームを狙って続々とサードパーティが誕生。アタリ社もロイヤリティの為に次々とこれを認可、にわかにゲーム市場は活気付いていた。 しかし、参加した会社の中には個人事業から大企業まで、中には「ゲーム開発の実績がゼロどころか全くゲームとは無関係な会社」まであり、リリースされるゲームの中には低品質なゲームが少なくなかった。 そんな中で本作が、その知名度からくる期待とは裏腹に稀代のクソゲーだったことで多数のユーザーにショックを与えた。 当時は現代と違ってゲームをレビューする雑誌もなく、発売前情報も限られていたため、パッケージを見て購入を決めて実際に遊ぶまでどんなゲームかわからないことが普通だった。 その為、クソゲーを掴まされたユーザーは新製品を買い控えするようになり、在庫を抱えたショップは安売りをし、新製品を仕入れなくなり流通が停滞。 ブームに乗って参加したサードパーティは次々とゲーム業界から脱退、もしくは負債を抱えて倒産となりゲーム市場が崩壊した。詳細はこの動画を参照。 結果として1982~83年にかけ、『アタリショック』(*1)と呼ばれる家庭用ゲーム市場の崩壊がアメリカで発生し、ファミコンが「Nintendo Entertainment System (NES)」の名で海外に進出しシェアをほぼ独占するようになるまで、アメリカのゲーム業界は長い氷河期に包まれる事となった。 ただし、アタリショックをもってゲーム市場が崩壊したとするのは大げさな言い方という見方もあり、「アメリカの玩具市場の中で大ヒットしていたATARI2600のブームが沈静化しただけ」という方が当時の状況をより正確に表している。 現に、アタリショックはあくまでもATARI2600(さらにはアメリカ国内)に限った話であり、当時のPCゲームや、日本・欧州のTVゲームの売上に影響を与えていない。 余談 米国で先行(1982年)発売された後の顛末 大量の在庫を抱え込んでしまい、「売れ残りの処分に困ったAtariが、トラック十数台分に及ぶ大量のカートリッジをニューメキシコ州アラモゴードにある埋め立て地に埋めて廃棄した」という真偽不明の情報が報じられ都市伝説として語り継がれるほどであった。 後にこの話を検証するプロジェクトが立ち上がり、2014年4月に埋め立てたとされる地点を発掘したところ実際にソフトが発見され、都市伝説は真実だったとして日本でもちょっとしたニュースとなった。→参考記事 更に2014年12月15日、この発掘ソフトの1本が「史上最悪のゲーム」として米スミソニアン博物館に収蔵されることになった。 この件のドキュメンタリー映画である「ATARI GAME OVER」も制作され、海外では2014年11月にデジタル配信の形でリリースされた。翌2015年には日本語字幕付きのDVDソフトとして日本でも発売された。ちなみにDVDソフト化されたのは日本版のみという珍しい話である(*2)。 日本でも、ゴミ捨て場から発掘されたE.T.を購入した人がおり、(ごく一部で)話題になった。 他のソフトにリサイクルされたという意見もある。破棄されたのは使い切れなかった分なのかもしれない。 一部は日本国内向けにほぼそのままリサイクルされたらしい。 というのもこのゲームはクリスマスのキラータイトルを目論んでいたらしく、なんと500万本も作られていたのである(ATARI2600自体は全米で1000万台)。 一応150万本売れたのだが、その結果は以上の通り。版権や諸々で大赤字だった。 なお、アタリ社からすればこれでも学習して抑えた方である。半年前に春休みのキラータイトルとして出した『パックマン』は1200万本作って500万本売れ残っている。 アメリカでのこのソフトの評価は、歴代ソフトのワースト候補を決める際の常連となってしまっているほど。 SeanbabyはElectronic Gaming Monthly150号において歴代ゲームワースト20のワースト1位にしている。 FHM誌の代理編集人Michael Dolanも歴代ワーストゲームの1位にこのゲームを選んでいる。 PC Worldも、筆者Emru Townsendによる「質問した内の3人に1人はこのゲームをすぐに思い出していた。何故かを理解するのは難しくない」というコメントを添えて、歴代ワーストゲームのリストトップに『E.T.』を置いている。 X Playで唯一0点をつけられてしまった。 版権などの契約で時間を食った結果、開発期間はわずか6週間(当時の平均の開発期間は5ヶ月~半年)しかなかった。 本作のゲームデザインおよびプログラムを担当したハワード・スコット・ウォーショウ(*3)は2日間で大まかなアイデアをまとめたが、開発期間の少なさで殆どを削ってしまったのである。 ウォーショウは後に「私は6週間でこのゲームを作ったということに対してはいい仕事をしたと思う。ただし、ユーザーは開発の期間なんて気にはしない。クソゲーと呼ばれることに対しては悪く思ってはいない」と述べた。 しかしCMは広告詐欺としかいえない出来だった。評価はこれも後押ししているだろう。→参考動画 またウォーショウ氏は、逆にアタリ史上最高の売り上げを記録した『Yars Revenge』も手掛けている。 氏は2015年に行われた講演中、来場者に「『E.T.』は史上最悪のゲームと思うか?」と質問したところほぼ全員が手を挙げたのに対し、「なら実際にプレイしたことがある人はいるか?」と質問すると、今度は誰一人として手を挙げなかった。その結果を踏まえ、「良くも悪くも実際にプレイをせず風評のみでゲームを判断するのは正しいことではない」と発言している。 日本でも噂は伝わっており、上記のカートリッジ発掘の際にインサイドの記事では「最悪のクソゲー」と呼ばれており、Yahoo!JAPANのトップニュースでも「史上最悪ゲーム 地中から発掘」と記載された。 パッケージイラストは当時ATARIに勤めていた日本人のイラストレーター、木村ひろ氏が手がけている。 また移植の質の低さで知られる『ATARI2800版パックマン』のイラストも同じイラストレーターの手によるものである。 動画 ※貼り付けが拒否されている動画なのでリンクのみ。
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GOD HAND 【ごっどはんど】 ジャンル ゴッドアクション 対応機種 プレイステーション2 販売元 カプコン 開発元 クローバースタジオ 発売日 2006年9月14日 定価 7,140円 廉価版 PlayStation2 the Best2007年6月28日/3,129円 判定 良作 バカゲー ポイント コメディ全開の3Dアクション俺の右手はゴッドハンド多彩すぎるアクション圧倒的高難易度 ストーリー 概要 ゴッドアクション(操作法) バカゲー要素 評価点 賛否両論点 問題点 総評 参考動画 余談 ストーリー 遥か昔、魔王サタンによって支配されつつあった地上に一人の救世主が現れる。 彼は両腕に宿した神にも等しい力で魔王サタンを倒し、世に平和をもたらした。人々はその男を畏れ敬い、「ゴッドハンド」と称した。 それから長い年月の後、旅の青年ジーンは、ふと立ち寄った町でならず者に襲われていた娘オリヴィアを助ける。 オリヴィアを逃がすことには成功したが、ならず者の強さは人間のそれを遥かに超越していた。 ジーンは奮戦するも全く歯が立たず、なす術もなく「ゴッドハンド狩り」の名の下に右腕を切り落とされてしまう。 絶望と失意の中、オリヴィアから伝説のゴッドハンドを右腕に授かり、神の力を手にしようとする悪魔達との戦いに挑む。 概要 素手による格闘戦を主体とした3Dアクションゲーム。ディレクターは『バイオハザード』シリーズを手がけた三上真司氏。クローバースタジオ名義の最後の作品。 上記のストーリーを見る限り一見硬派な世界観と思えるが、その実態は様々なパロディやギャグ要素を内包したPS2でも指折りのバカゲーであり、バカゲー屈指の高難易度を誇る作品である。 ゴッドアクション(操作法) 基本技 100種類以上もの「基本技」から任意の技を各ボタンやコマンドにセットし、多彩な技を自由な順番で繰り出すことができる。 基本技はジャブ・フック・ローキック・サイドキックといった小技だけでなく、サマーソルト・とび後廻し蹴りなどの派手な技、正拳突き・溜めアッパーなどの重い技、酔拳・発剄などの中国拳法まで様々。 火力重視、繋がり易さ重視など、好みに合わせてカスタマイズできる。 回避行動 本作を攻略する上での肝。右スティック上入力でスウェー ダッキング(上段攻撃回避)、左右入力でサイドステップ(無敵時間の短い左右回避)、下入力でバック転(無敵時間が長めの後方回避)の3種類を使い分ける。 攻撃後のモーションキャンセルにも活用できる。特に下記のガード崩し技は攻撃後の隙が大きいので、高難易度におけるスウェーやステップによる硬直キャンセルは必須と言えよう。 ガード崩し技 敵は連続して攻撃を受けるとガード状態に入る。ここから更に攻撃を加えると、対戦格闘ゲームでいう「はじき」により反撃を食らいやすくなる。 ガードに入ってから「こちらの攻撃を何回ガードするとはじくか」は、ゲーム中の難易度レベルによって異なる。当然レベルが高いほどはじくまでの回数は少ない。 そこで敵のガード中に「ガード崩し技」を当てると、敵は一定時間無防備になり、こちらの攻撃で与えられるダメージが上昇する。さらにこちらの攻撃によりピヨリ易くなる(*1)ので、ピヨりからの特殊アクションによるダメージ上乗せも可能。また、無防備になっている敵を攻撃すれば後述するテンションゲージの回復量も増加するので、ガード崩しからの追撃はダメージ源とテンション回復の双方で重宝する。 ゴッドハンド解放 「テンションゲージ」が一定量貯まると、右腕に装着したゴッドハンドギプスを弾き飛ばして、「ゴッドハンド解放」を任意のタイミングで使用出来る様になる。 開放中は右腕が光り輝き、一定時間完全無敵&攻撃速度上昇&全ての攻撃がガード不可&ゴッドリール技以外の攻撃力2倍という恐るべきチートスペックを発揮する。 全体的に難易度が高い本作において、強敵を倒す生命線であると共に、強敵にボコボコにされて溜ってゆくプレイヤーのフラストレーションを解放してくれる、違った意味での生命線でもある。 テンションゲージは敵を攻撃したり、敵を挑発したり、敵の攻撃をスウェーで回避することで増加する。 ゴッドリール技 いわゆる格闘ゲームにおける超必殺技。ゴッドリールストックを消費して発動させる。 ゴッドリール技にも様々な種類がある。「ドラゴンキック」に「1インチパンチ」といったカンフー映画さながらの技や「武闘神拳」に「蹴り嵐」などのカッコイイ乱打技、ゴッドの力で召喚したバットによる「ゴッド本塁打」で敵を星にする技、直接攻撃の他にも体力を回復する「ゴッド瞑想」や、敵に土下座して攻撃の手を緩めてもらう「ゴッド☆土下座」など。 メニュー画面で最大10種類を設定可能で、発動時はスロットのようなリールから数秒以内に技を選択する形式になっている。焦ると予定と異なる技やスカ(ハズレ)を選んでしまうことも。スカを選ぶとタライが降ってきて、微量のダメージとどこからともなく笑い声が飛んでくる(*2)。 敵に特定の技などを当てると、敵を画面奥に吹っ飛ばすことができる。 吹っ飛ばしの効果音やエフェクトが派手で気持ちいい。重力を半ば無視した軌道で壁に激突するまで吹っ飛ばす技もあり、近寄ってきた敵がそれらの技で真横へ文字通り「飛んでいく」様は特に爽快である。 敵をピヨらせた時・敵が特定の攻撃を使ってきた時などにおいて、○ボタンを押すことでその場の状況に応じた特殊アクションが行えるという、近年の3Dアクションではありがちな要素が存在する。 このゲームでは長々としたムービーチックなアクションはあまりなく、比較的テンポが良く爽快感の高いものが多い。パンチorキックでどこぞの幽波紋よろしくラッシュを叩き込む「ボコる」はその筆頭である。 多くはボタン連打かレバガチャでダメージが向上する様になっており、バトルの流れを止めない作りになっている。休む間がない・コントローラーを痛めやすいとも言えるが。 全体的に、どことなく同社製アクションゲームの名作『ファイナルファイト』をセルフパロディしている要素がある。以下はその代表例。 敵の種類 モヒカンのチンピラ、突進してくるデブ、ハイジャンプで飛びかかってくる女、アビゲイル柄そのまんまの雑魚リーダー、スライディングや空中で多段突きを繰り出すナイフ投げ etc 車を破壊するボーナスステージの存在 落ちている角材・鉄パイプ・刀などを拾って強力な武器として使用できる 某大手レビューサイトにおいても、「『ファイナルファイト』を近年のゲームシステム風にリメイクしたらこうなりました、という感じ」という感想を持った人が多く見られる。 バカゲー要素 概要でも触れたとおり、本作にはその割とシリアスなストーリーからは想像もつかないギャグシーンや、様々な方面から拝借したパロディ要素が随所に散りばめられている。 開始直後のOPからして、主人公であるジーンの第一声が「み、水…」と某世紀末救世主を思わせる台詞(*3)。 そしていざ敵と戦ってみると、ジーンは「笑龍拳」なるどこかで見たような技で殴り飛ばすわデブが某力士よろしく空を飛びながら頭突きしてくるわガタイの良いノッポが神砂嵐を仕掛けてくるなど、初っ端からいろんなパロディが仕込んである。中ボスとしてカーニバル衣装のマッチョなオカマ兄弟こと「金さん・銀さん」が出迎えるというダメ押しも抜かりない。金色じゃない方は股間がモッコリしていないという細かいネタも光る。 他にも緑のノッポと赤い女王様に青い脳筋とどこかで見た連中や、ゴリラの覆面レスラー(背中にチャック)、片言の日本語でしゃべる用心棒の侍(オマエヲ、キル!)など、突っ込みどころ満載で非常にカオスな奴らがプレイヤーを(もれなく全力全開で)迎え撃つ。 回復アイテムがなぜかイチゴやバナナ等のフルーツ(しかも巨大サイズ)。悪魔達とボコりあっている横でふよふよ浮いている絵面は非常にシュール。 評価点 『デビルメイクライ』などとはまた方向性の違う、斬新で爽快なアクションが味わえる。 ある程度慣れてくるとタイマンではそうそう死ななくなり、敵をボコボコにする快感が得られるようになる。ザコ敵を派手に吹っ飛ばしたときの情けない悲鳴も痛快そのもの。 主人公ジーンは基本的に武器を使わない格闘家タイプであり、身体のキレはダンテたちをも上回る。敵が強いことも手伝って、至近距離での息もつかせぬ攻防には本作ならではの魅力がある。特にシビアな見切りと正確な反撃を要求されるボス戦に取り憑かれたプレイヤーも多く、スーパープレイ動画も多数公開されている。 上記の通り笑える要素が満載。そのためバカゲーとしても名高い。 BGMに関しても結構評価が高い。楽曲を手掛けたのは高田雅史氏と福田淳氏(*4)。 ただしサントラが発売されていないため、曲をじっくり聴きたければゲーム内のおまけ要素を解禁するか初回生産特典つきのソフトを購入するしかない。 ところが初回生産同梱CDにもED曲をはじめ収録されていない曲がある。そのうえ最高にハイなボス戦のBGMは、後述の難易度HARDをクリアしないと解禁されないというとんでもない仕様になっており、開発側のドMプレイヤーに対する配慮を感じさせる。 賛否両論点 難易度が非常に高い。 「本作に『難易度』などはない。あるのは“難度”のみである。」…と言っても決して過言ではない容赦の無さ。 初回プレイではEASY・NORMALの2つの中から難易度を選べるが、NORMALですら『デビルメイクライ』における DANTE MUST DIE 並とされるほど。EASYが他のゲームでのHARDにあたるようなものであり、1周クリア後に出現するHARDに至ってはNORMALの難易度をさらに超越しており、アクションゲーム屈指の凄まじい高難度と言われるまでになっている。 NORMALを2周ぐらいして結構余裕で進めるようになったプレイヤーでも、HARDに進むと最初の雑魚2匹で死んだりする。後述の仕様により技やステータスが引き継げないせいもあるが、この仕打ちでいきなり心を折られるプレイヤーも居る。 いわゆるゲームランクの要素がある。Lv1、2、3、DIEの四段階が存在し、攻撃を食らわず上手く敵を倒していくとレベルが上昇していき敵が手強くなる。逆に攻撃を食らうとレベルは下がるので、慣れていない段階だと敵のレベルはそこまで上昇しない。そのため、プレイヤーの腕前に応じてある程度ゲーム難易度が調整されるようにはなっている。ただ、死んでコンティニューしない限りはなかなかレベルダウンしないので、あくまである程度だが。 難易度レベルが上昇するごとに、「敵の思考ルーチンや攻撃力」「同時に攻撃してくる人数」「敵が攻撃を仕掛けてくる方向」などが強化されていくのだが、Dieにおいてはさらに「敵の攻撃スピードの上昇」「敵のフッとび・ダウン技への耐性強化」という独自の鬼仕様が追加される。特に後者は道中の敵集団を相手に立ち回る際に、カウンター狙いでもしなければ敵の分断が出来ずタコ殴りにされてしまうため、HARD(常時レベルDIE固定)での難易度の凶悪化に一役買っている。 特殊アクションは連打が必要な物が多く気合の要るものが殆どな為、連打が苦手な人はフルでダメージを与える事も難しい。○ボタンだけでなく×・△・□ボタンも連打入力の対象なので、それを踏まえて複数のボタンを入力すれば楽になるが、それでもしんどい人はしんどいだろう。 この情け無用を絵に書いたような高難度ぶりのせいか、売り上げは芳しくなかった。クローバースタジオ製のゲームの中では、『大神』や『ビューティフルジョー』に比べて売り上げも知名度も低い。 アクションゲーム初心者には難易度EASYですら辛いものがある。EASY完走にコンテニュー3桁費やしたプレイヤーもザラ。 一応敵の攻撃力や体力が下方修正、テンションゲージが溜まりやすい、ゴッドリールストックの最大値が6に増加、難易度レベルの上限2までなどかなり難易度が下がっているが、難易度Lv1固定でもキツイレベルなので焼け石に水。 隠し要素開放条件の1つに、ただでさえ高い難易度をさらに高くするような縛りプレイをやる必要がある。通称「張り紙プレイ」と呼ばれ、ゴッドリール技&ゴッドハンド解放禁止。難易度・周回は問われないのでEASYの2周目以降で最初から最強に鍛え上げれば比較的容易なのだが…後述の「引き継ぎ要素なし」のせいで非常に面倒。 一方で、ゲームの難易度を大幅に下げるような高性能の基本技や、いくつかのハメ技が存在する。ゲームの爽快感やテンポ向上に一役買っているハメ技もあり、また初心者救済の措置と捉えることもできるので問題視される事は少ない。 アイテムや特定の敵の出現に関し、運の要素が強い。 体力やテンション、ゴッドリールストックの回復アイテムはランダム出現と固定配置があるがランダムの方が圧倒的に多い。ランダムで回復アイテムがどれだけ出現するかでゲームバランスがかなり変わってくる。 ただし、仮にアイテムに恵まれたとしても、それらだけでのゴリ押し突破はまず不可能。プレイヤースキルの成長が大前提のゲームバランスである。 一方、道中のザコ敵を倒すと一定の確率で「悪霊」という、一見するとそれこそ悪魔のような外見の敵が出現する(*5)。異様に速い攻撃モーション、一発で主人公の体力を最低でも3分の1もっていく攻撃力、テレポートじみた高速スライド移動によるHIT AWAYなど、他のザコとは一線を画すプレイヤー泣かせの強敵である。 通常の敵は一部を除き、初期位置から一定の距離まで主人公が逃げると引き返していくのだが、悪霊は全てそのエリア内を執拗に追いかけてきて振り切れない。次のエリアに行けば追ってこないが、敵を全滅させないと次のエリアへの入口が開かないというシーンで悪霊が出ると、もう倒すしかない。 せめてもの緩和策なのか、悪霊出現時はほぼ全ての雑魚敵が一歩退いた位置に移動し、少ない頻度での突進・飛び道具系の攻撃以外はしてこないようになっている。ただし、ナイフ投げをする長身痩躯の雑魚敵は「そんな事知るか」と言わんばかりにナイフを投げこんでくる辺り、本作のマゾゲーっぷりがうかがえる。 敵を倒すと出現し、なおかつ倒せば倒すほど出現率が上昇するので、「満身創痍になりながらも敵の集団を全滅させて一安心→悪霊が出現して一瞬で絶望する」というケースがままある。 ご丁寧にも、本作のSTAGE1-1(いわゆるチュートリアルステージ)は、「倒すと必ず悪霊を出す敵が2人いる」というステージ構成。早速1人目がスルー不可であることからも、明らかに殺る気マンマンである(*6)。 エンディング 本作のノリと難易度を楽しめた人には抱腹絶倒モノのED曲として知られる「俺の右手はゴッドハンド」である。一言で表現すれば「昭和の巨大ロボットアニメのOPを思わせる曲調で、ゴッドハンドの強さやオリヴィアへの不満を歌い上げる」という非常にカオスな代物。 逆に「買ったからにはクリアしたが、苦しめられた思いしかない」という人には全く伝わらないばかりか、少なからず怒りを覚えるかもしれない。 字幕は入るが全編英語。 洋ゲーのような雰囲気に合っているといえば合っているのだが、ギャグの数々を日本語で聞けないのは残念でもある。字幕だけで関西弁を表現されても…。 ガードができない。 回避をメインにしたシステムだが、やはり直観的な操作としてガードが欲しかったプレイヤーも多い。 なお、ガードができないのは開発陣の「(ガードはすることは)格好悪い」という分かる様な分からん様な考えから(*7)。 確かに敵の攻撃を受けて固まっているよりは華麗に避けてカウンターを決めた方が格好いいかもしれないが、主人公がガードできないゲームの多くは雑魚敵もガードしないのに対し、本作はほぼ全ての敵が一方的にガードするので不公平さを感じさせる。 問題点 クリア後の引継ぎ要素が一切無く、次の周回でもまた一から金を集めて主人公を強化したり技を買ったりしなければならない。 2周目以降のプレイでも一定の歯応えのあるゲーム性を強制させている。多くのゲームに周回引き継ぎの要素が搭載された昨今では、相当にストイックな設計。 一応その難易度の2周目以降では、「金を拾った時の入手額が2倍に増える」「最初からほとんどの技や能力強化アイテムを購入可能」という特典はあるが、それでも技やアイテムを十分に買い揃えるにはかなりの金額と時間が必要。 このゲームではステージの進行中に無限に金を稼ぐことは困難であり、金を稼ごうとすれば基本的にはゲームを先に進めるか、運要素のあるカジノのミニゲームを延々繰り返す作業をしなければならない。 そしてせっかく金を稼いでも、次の周回ではまた初期状態から仕切り直しになる。 そして激闘の末、高威力の隠し技を購入すると、人によっては今度は雑魚が簡単に死にすぎて物足りないと感想を抱いたりする。 ステージセレクト機能も無いため、苦手なステージが気軽に練習できず、好きなステージで遊ぶこともできない。稼ぎが困難な一因になっている。 一応「闘技場」というものがあり、そこで本編に登場したほとんどの敵と自由に何度でも闘うことは可能。ただし専用マップで難易度レベルも固定されており、本編と同じ状況で戦えるわけではない(*8)。 厄介な攻撃ほど回避しにくい、又は阻止しにくい 発生が非常に速い攻撃に高威力な技が多く、逆に発生の遅い大技が速い小技よりもダメージが少ないと、明らかに調整を間違えている。 スウェー回避できない中段・下段攻撃もダメージが大きいものが多い、格闘ゲームの真逆をいった仕様。 中ボスが大技・特殊技を出す前はスーパーアーマー、もしくは完全無敵。普通のゲームなら発生前のモーション中に攻撃して阻止するのが定石だが、このゲームではそんな常識は通用しない。出され損のパターンは出してくれないよう祈るしかない。 ある中ボスは口笛を吹いて増援を呼ぶが、そのモーションに入った瞬間に増援が来る事が確定し、口笛が鳴る前に攻撃して止めても無意味。理不尽としか言いようのない仕様。 ロックオンに若干の難あり。 敵へのロックオンが自動であり、対象の変更ができない。誰をロックオンしているのかも視覚的に確認できない。プレイ中は「そっちじゃねぇよ」と心の中で叫ぶ事がしばしばあるかもしれない。 しかも木箱や壺等のオブジェクトまでロックオンの対象になる為、目の前の敵を無視して横の木箱を攻撃することも。 実用性のある技が少ない 技の多さを売りにしているが実用性のある通常技はごく一部。 ゴッドリール技にしても序盤の救助イベントで入手できる、敵を引き寄せてピヨらせる「ぴよハント」が特出して高性能(*9)なため、同時期に購入できる他のストック消費1のリール技の存在意義が低い。 ぴよハントで攻撃できるのは1人だけなので、雑魚を相手にした集団戦においては同時ヒットを狙えるストック消費1のリール技にも利用価値は十分にある。しかし、ボスとのタイマンでは明らかにぴよハントに見劣りしてしまう。 リール技の使用に必要なリールストックはアイテム拾得でしか回復できず、通常技のように闘技場でお試しもできないので性能の低いおバカな技を見るためだけに金を払って購入し、ストックを使用するのは非常にもったいない。 ただし、闘技場ではリールストックが固定された状態で試合に臨めるので、金銭面の問題に目をつぶればそこで思う存分キンテキで男の玉を狩りリール技使い放題である。 異常に優遇された敵の回避能力 ほぼ全ての敵にガードが備わっているのは前述の通りだが、完全無敵のバックステップも完備。たとえ敵を壁際まで追い込もうがバックステップでこちらの攻撃を無効化し続け、発生が速い、もしくはスーパーアーマー状態の攻撃で割り込まれて形勢逆転されることもしばしば。 ダウン中の敵に追撃しようにもこれまた完全無敵の回転回避を完備。難易度レベルが低いうちはともかく、踵落としやストンピングがことごとくスカさらる。 武器の攻撃を回避されようものならダメージは与えられないのに武器の耐久度はしっかり減る。 女の敵は起き上がり時に四つん這い状態で逃げることがあり、この時に種類を問わず攻撃を当てると1発で派手に吹っ飛び、全く追撃できない。 敵の背後をとってもジャブ1発入れただけでものすごい速さで前によろめき、後の攻撃が全く当てられない。1発の攻撃力が高い技は敵の振り向き・回避より発生が遅いのでまず当たらない。 一部の敵はスーパーアーマーの背面攻撃をしてくるので背後と取るのが逆によくない場合もある。 敵を浮かせて空中コンボを狙おうにも、浮いた敵に攻撃を当てるとランダムで空中受け身をとりつつ怒り状態になる。それ以前に浮かせ技自体にも空中受け身を取ることがあるので、「空中廻し蹴り(*10)」を狙える高さに打ち上げる浮かし技以外はあまり使う意味がない。 おそらくはいわゆる永久コンボになるのを防ぐための措置であると思われるが、それなら敵の落下スピードや主人公の攻撃スピードを調整すればいい話であり、調整不足感が否めない。 敵の背後から浮かし技を当てるとそのままバック転し主人公の頭上を超えてこちらが背後を取られるという理不尽行動をされる場合がある。 以上のように普通のアクションゲームならチャンスである「端に追い込む」「ダウンさせる」「背後を取る」「宙に浮かせる」といったケースがほとんど有利にならない。「常に万全に近い状態の敵を実力でねじ伏せるストイックな設計」…とも取れなくはないが、ここまで来ると理不尽という印象が目立ちかねない。 総評 隠れた名作、知る人ぞ知る神ゲーならぬゴッドゲー。あるいはバ神ゲーとでも言うべきか。 21世紀のご時世にこんなゲームをリリースすれば普通は「調整不足のクソゲー」と評されかねないのだが、それを補って有り余る爽快感がある。 激烈な敵の攻撃をスウェー回避 → カウンターで吹っ飛ばすようになる頃には、カタルシスの虜になっているはず。 まさに本作には「ドM仕様」「バカバカしい」という褒め言葉が良く似合う。 ただ、難易度が非常に高いゆえに万人向けとは断じて言えない点(*11)が確かに惜しい。 参考動画 + ゴッドリール技集 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1841541http //www.nicovideo.jp/watch/sm2673004 余談 本作の開発に携わったスタッフの多くはプラチナゲームズに移籍し、『ベヨネッタ』を開発した。 『ベヨネッタ』には、本作と共通する要素もいくつか見られる(*12)。 さらに、いい意味でのバカバカしさとボス戦の面白さは『メタルギアライジング リベンジェンス』に受け継がれている。 また、本作に登場した「戦闘中に拍手をする」という演出は後にカプコンの『デビルメイクライ4』や『戦国BASARA4 皇』に登場している。 本作のヒロインであるオリヴィアはかなりの人気。主人公に向かって斧をチラつかせ無理難題を強要しながらも、時折見せる女らしさがドMなプレイヤーのハートを鷲掴みに。 「あのツンデレぶりが堪らない」「クリア特典として(『デビルメイクライ』の)スーパーキャラ仕様でオリヴィアを操作したかった」「いやあの女なら斧一本で十分だろ」など、某掲示板にて盛り上がったことも。 カプコンの格闘ゲーム 『VS. シリーズ』 には、近年ではクローバースタジオ製のゲームから『ビューティフルジョー』や、『大神』のキャラクターが参戦しているが、本作からの参戦は現在のところ無い。 本作は『大神』ヒット後の作品として世に出た訳だが、『大神』でクローバースタジオのファンとなり本作に飛び付いた結果、そのあまりに対極的な難易度により呆然としたプレイヤーがネット上に散見された。 それ程『大神』は同社を有名にしたという証であろう。本作の攻略本の帯に「ゴッドゲーム第一弾」と書かれているが、クローバースタジオが解散してしまったこともあってか続編は出されていない。 公式サイトは様々なミニゲームが仕込まれていて面白い。ちなみにミニゲーム中に「TARAI」を避けると…? ただし、現在公式サイトは削除されてしまった。 シルバーゲーマーとして有名な加山雄三氏は、本作を発売日に購入後、翌日のラジオ番組でクリア報告。放送を偶然聞いていたプレイヤー達は耳を疑ったが、「寝ずにやってやっとクリアした。エンディング後の唄がいいよ、笑ってしまった」とのコメントから本当のことだと後日思い知ることとなった。 本作は三上真司氏が『バイオハザード4』の次に手がけた作品であるためか、同作と同じ仕様が多く見られる。 例:左スティックによる主人公の操作、カメラの位置、プレイ中に可変する難易度、跳び後ろ廻し蹴りのモーション、ロケットランチャーのモデリングなど。 『電撃プレイステーション』の“痛そうな技トップテン”に本作のキンテキがランクインした。 本作には三上真司氏が後にエグゼクティブディレクターを担当した『Hi-Fi Rush』との共通点が指摘されている。 おバカで片手が特別な義手の主人公と、ツンデレなヒロインの関係性、他作品からのパロディ・小ネタが多いことが主。
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特別DSの高いカードであり、Cカードにしか存在しません こいつを貫通させるだけで全ライフの5分の1を削れるとあって、貫通は容易ではありません サブタイトル キャラ 弾 rare パワー DS PS ジョブ 七不思議!? 泉 夏 C 9000 6 1 パジャマ 幽霊 我輩は先生である 雪路 夏 C 8500 6 4 先生 風紀委員ブラック 理沙 夏 R 6000 6 2 生徒会 ヒーロー 上へ戻る
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海腹川背 【うみはらかわせ】 ジャンル ラバーリングアクション 高解像度で見る 裏を見る 対応機種 スーパーファミコンWindows 7~10 メディア 【SFC】8MbitROMカートリッジ【Win】ダウンロード 発売元 【SFC】TNN【Win】Degica(当初はアガツマ・エンタテインメント) 開発元 【SFC】TNN【Win】スタジオ最前線 発売日 【SFC】1994年12月23日【Win】2015年11月2日 定価 【SFC】9,800円【Win】980円 判定 良作 海腹川背シリーズリンク 概要 ゲームシステム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 その後の展開 余談 概要 先端にルアーが付いたゴム紐を投げ、ルアーを壁に引っ掛けてターザンのように渡ったり敵を絡め取ったりして、複雑な構造のコースを攻略していくアクションゲーム。 プレイヤーの力量次第で自由自在なアクションが可能で、腕を磨いて極めていくタイプのやり込みゲームである。 ゲームシステム 主人公の少女「海腹川背」を操作してフィールドと呼ばれる複雑な構造のコースを進み、ゴールの扉を目指す。フィールドによっては複数の扉があり、ルート分岐がある。こうして道なき道をひたすら進んで行くのがこのゲームの目的である。 タイトルの「海腹川背(*1)」とはこの少女の名前である。公式やファンからは親しみを込めて「川背さん」と呼ばれることが多い。 基本的にはオーソドックスな横視点の2Dアクションである。プレイヤーができる操作は移動・ジャンプ・ルアーを投げるの3つのみだが、ルアーをうまく操ることで普通のアクションゲームではできないアクロバティックなアクションが可能になる。 十字キーと投げるボタンの組み合わせで、8方向にルアーを投げることができる。 全ての基本となるのが、天井にルアーを固定しジャンプの勢いで左右に揺れる振り子運動。これだけなら他のワイヤーアクションのゲームと同じだが、本作のワイヤーにはゴムのような伸縮性があり、その場で左右に揺れると自ら振り子状態を作ることができる。 また、ルアーを地形や敵に刺したあとにワイヤーの長さを調整することができる。これが本作の大きな特徴であり、振り子の大きさを変えたり、通常なら届かない距離を振り子ジャンプでショートカットしたりすることも可能である。 この他にも 「天井にルアーを刺してワイヤーを縮めて上昇」「ルアーで壁に張りついたあと、勢い良く紐を縮めてゴムの勢いで壁を登る」 「足元にルアーを刺すことで安全に下段に降りる」「振り子運動の真下で紐を縮め、遠心力によるゴムの伸びを縦運動へ変換し、支点よりも高く飛び上がる」 「足元にルアーを刺してから歩いて伸ばし、ゴムの縮む力を利用して逆方向へダッシュ」 などゴムロープを活かした多様なテクニックが編み出され、これらを組み合わせることで複雑な動きを作り出していく。 フィールド上には魚介類をモチーフとした敵(足が生えていたりとみな変な外観である)がうろついており、触れるとミスもしくは気絶して一定時間操作不能になる。 敵にルアーを当てると気絶させることができ、そのまま手繰り寄せてリュックにしまうと得点が入る。ルアーを当てても気絶しない敵は基本的に捕まえられないが、一部、普段以上の力をこめることで捕獲が可能な敵も存在する。ステージによっては、ランダムで敵が沸いて一往復して消える、バケツから一定周期で飛び出してくる小型敵などのバリエーションがある。 フィールドによっては「カエルを産む巨大オタマジャクシ」「編隊飛行するイシダイ」「巨大タツノオトシゴ」「カニ」などがボスとして登場。 ルアーによる手繰り寄せが効くものもあれば一切無効で避けていくしかないものも存在し、フィールド攻略とは一転して、敵を確実に捕まえるルアーさばきや攻撃を的確に避ける見切り能力が必要となる。 「ルアーを当てても気絶しないザコ敵」に触れると川背さんが気絶してしまう。気絶は「めまいと共に後方へふらふら後退してから気絶」「その場で気絶」の2パターンが存在する。 気絶の後、0.6秒経過後にルアーを投げることが可能になるため、気絶直後にルアーを投げることで助かる確率も多少なりとも上昇する。 特定フィールドのボス敵は触れると即死となる。 特にストーリーのようなものはなく、最終フィールドをクリアまたは特定の扉に入るとスタッフロールが流れて終了する。 プレイ時間が30分(裏技を使うと5分)を超えた状態でゴールすると、強制的に最終フィールドに飛ばされる。 リプレイ機能も搭載されており、任意にセーブすることで自由にデータを再生して閲覧できる。 残機制で、「地形穴への落下」「トゲなどの即死トラップ・即死敵への接触」「動くリフトや上下する障害物と天井・足場に挟まれて圧死」「時間切れ」のいずれかで1ミス。残機0でゲームオーバー。 残機の初期値は9で、特定地点に配置された1UPアイテムのリュックを取得することで残機数が増える。 ゲームオーバー後のコンテニューは不可で、1面からやり直しとなる。 評価点 ワイヤーアクションの自由度の高さ 『アルマナの奇跡』『ヒットラーの復活 TOP SECRET』など、ワイヤーを用いたアクションゲームは既に存在していたが、これらのゲームではワイヤーの向きは変えられても長さや勢いまでは変えることができなかった。これに対して本作では「ワイヤーの長さやぶら下がった際の振り子運動の勢いを手動で微調整する」という要素が加わったことで、より自由度の高いワイヤーアクションが実現された。 ワイヤーの伸縮や振り子の揺れの表現も不自然なく、指先の微細な感覚がダイレクトにキャラクターの動きに反映されるようになっており、プログラミング技術の高さが窺える。 初心者から上級者まで楽しめる懐の深さ 直感的に分かりやすいボタン配置になっており、操作性は良好である。 各フィールドにはいくつかのルートがあり、初心者は道なりに、上級者はアクションを駆使した大胆なショートカットでクリアすることができる。 新しいテクニックが必要なフィールドでは、フィールド開始前にデモが挿入されて川背さんの動かし方を教えてくれる。 アクションゲームとしての配慮 画面スクロールは常に川背さんが画面中央寄りに移動した際に発生するのでキャラクターを見失うことは少ない。また、LRボタンで画面をスクロールさせてフィールド全体を確認することもできる。さりげないところだが、アクションゲームとしては嬉しい配慮である。 グラフィックやアニメーションはなめらかで、キャラクターの生き生きとした個性が出ている。キャラクターと背景のメリハリもはっきりしているので、どこに何があるかがすぐに分かるようになっている。 独特の世界観 海・川を背景にしたフィールドには交通標識やガードレール、巨大な野菜、醤油のボトル、文房具と変なものが目白押し。足の生えた魚たちが歩き回る奇天烈な光景(*2)は、本作に独特の魅力をもたらしている。 BGMはいずれも牧歌的な雰囲気で統一されており、ストイックなゲーム性の本作における癒し要素となっている。シュールな世界観もBGMが程よく中和してくれている。 海原川背の謎めいたキャラクター性 アクションゲームとしては非常にストイックかつ、ストーリーも無く、演出も素っ気ない作品であるだけに、却ってプレイアブルキャラの川背さんの印象が際立っている。 元々パッケージや説明書に描かれた数点のイラスト以外にキャラクター性が不明だったが、その割にゲーム内でのアニメーションがそれなりに細やかだったり、何より「ショートヘアで幼い顔立ちなのに巨乳」という見た目にインパクトがあったことからユーザの記憶に残りやすいキャラクターとなっていた。 キャラクターデザインに関する裏話については海腹川背シリーズを参照。 賛否両論点 自由度の高いアクションを使いこなすためにはゴムの張力の微細な調整が必須であるため、慣れるまでは操作に苦労することになる。 ダッシュや大ジャンプといった普通のアクションゲームならボタン一つで実行できるアクションでもゴムの力を利用しなければならないため、コツがつかめないとなかなか先に進めずもどかしく感じられてしまう。 基本的なアクションについては説明書に記載されているが、張力を利用したダッシュやジャンプなどの細かなテクニックについてはほぼノーヒント。やりこみの中で自力でテクニックを見つけ、磨き、体得しなくてはいけない。 総じて難易度は高く、かわいらしいキャラクターやほのぼのした雰囲気と裏腹にプレイヤーを選ぶ。 問題点 ゲーム内チュートリアルや練習用モードが存在しない 基本的な動かし方は説明書に記載されており、特定のステージでは開始前にそのステージで活用すべきアクションをデモで見せてくれるが具体的な操作方法の解説がない。 ステージを進める中で制限時間内に試行錯誤していかなくてはならず、落ち着いてプレイしにくい。 コンティニューやステージセレクトが存在しない。 操作自体の難易度が高い上にゲームオーバーになると最初のステージからやり直しである。その分クリアの達成感は大きいが、心が折れ易い作りでもある。 残機を増やす手段も特定のステージで手に入るリュックのみで、無限1UPなどの抜け道も存在しない。 プレイ開始から一定時間たつと強制的に最終ステージに飛ばされてしまうのも不自由さを助長している。 リプレイデータが消えやすい。 総評 『ヒットラーの復活』『アルマナの奇跡』の系譜を継いだワイヤーアクションゲームの逸品。 プレイヤーの力量がそのまま結果に表れるストイックさを持ちながら、初心者から上級者までそれぞれの楽しみ方ができる。「シンプルだが奥が深い」を体現するゲームの一つである。 その後の展開 宣伝の規模の小ささから知名度はいまひとつであったが、プレイヤーからの支持を受けて隠れた名作タイトルとして知られるようになり、開発元・販売元を変えつつ多数の続編がリリースされている。詳細はこちらを参照。 2022年5月27日より『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』収録作品の一つとして配信が開始。販売メーカーはスタジオ最前線。 余談 フィールドは57面まで存在するが、データが存在しない欠番フィールドがいくつか存在する。 ただし、これらはバグや不具合などではなく意図的に作られていないためで、「ゲームを全面クリアしてもそれが『海腹川背』のすべてではない」という意味合いが込められているという。(*3) こうした作りは続編の『旬』まで続き、DS版以降は「ネット上での情報伝達が発達した今となってはあえて欠番を作る意義がなくなった」という理由で欠番フィールドはなくなった。 真のエンディングの噂 本作のエンディング画面があまりにもそっけないことや、プレイ時間が30分以上経過すると強制的に最終ステージに飛ばされてエンディングに移行することなどから、「30分以内にラストステージまで自力で辿り着いてクリアすれば真のエンディングが見られる」という噂が流れていた。 しかし実際にはこの条件を満たしてもエンディングは同じである。攻略や解析が進んだ現在でもネット上に真のエンディングとされる動画や画像は上がっていない。攻略本のほうには真のエンディングがあると書かれているらしいのだが…。 『ゲームセンターCX』では、この情報を元に検証が行われ実際に30分以内にクリアすることに成功したがエンディングは変わらなかった。「虚しい結果に終わったが、この事実を実証できただけでよかった」と締めくくられている。 なお、制作者の酒井潔氏は30分エンディングの仕様について「難しいゲームに我慢して付き合ってくれたユーザーへの配慮」と語っている。 本作発売前にスコラ社の月刊コミックバーガー(現・幻冬舎の月刊バーズ)で漫画家の山吹ショウマによるコミカライズ作品が連載された。内容はゲームとは殆ど関係の無いオリジナルな展開で、キャラクター名も海原川瀬となっている。 同誌が休刊した為、「第一部完」という形ではあるが、まとまった形で終了したものの、単行本は1巻しか刊行されずに後半の二話分が未収録のままである。 こういう経緯があってか、SFC版の攻略本は珍しくスコラ社から刊行されている。巻末には氏による描き下ろしの外伝が収録されているが、「どうせなら連載時の未収録話の方も収録してほしかった」という不満も聞かれる。 キャラクターデザイン担当の近藤敏信氏は上記のコミカライズとほぼ同時期に徳間書店の月刊少年キャプテンで『ブラディコネクション』を連載しており、川背さんが客演している回も存在する。 無名時代ゆえに川背さんのデザイン担当ということを知らない読者が多かったのか、「近藤先生は海腹川背が好きらしい」という読者からのコメントが寄せられて落ち込んだらしい。 テーマソングについて 本作には『藍より碧いうみ』というテーマソングが存在し、PVなどで用いられたが、ゲーム内で流れることはない。 ゲーム本編のBGMとは作曲者も異なるためか音源化もされていない。後に発売されたサウンドトラックにも未収録である。
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スプラッターハウス 【すぷらったーはうす】 ジャンル アクション 対応機種 アーケード(SYSTEM I) 販売・開発元 ナムコ 稼働開始日 1988年11月 配信 バーチャルコンソール【Wii】2009年5月26日アーケードアーカイブス【Switch】2023年6月22日/838円(税10%込)【PS4】2023年6月22日/837円(税10%込) 判定 良作 ポイント ナムコらしからぬ残虐・暴力表現の数々ホラー映画のイロハを熟知した演出丁寧に作り込まれたストーリー描写伝説になった衝撃の鬱展開ゲームとしては正統派かつ程よいバランス スプラッターハウスシリーズスプラッターハウス/わんぱくグラフィティ/PartII/PartIII/Spllatterhouse スプラッターハウス 概要 ストーリー ゲーム概要 評価点 絶望のなんたるかを思い知らされるストーリー内容(ネタバレ注意) 賛否両論点 問題点 総評 移植 続編・派生作品 余談 概要 これまで『パックマン』や『ゼビウス』『ドルアーガの塔』など主に明るいイメージがあったナムコが、ホラー映画ブームの真っ只中であった80年代に世に放ったホラーACT。 今となっては版権的にやばそうなジェイソン似の仮面を被った主人公が、パンチやキックや凶器で館に蔓延る異形の怪物をなぎ倒しながら突き進む横スクロールアクション。 ステージ構成は全7ステージ。各ステージの最後に待ち構えるボスを倒すことで進んでいく。 ストーリー 超心理学(*1)の権威として有名な人物だったウエスト博士は、「死体蘇生」をテーマに掲げて禁断の研究に没頭し続けた末に、その副産物である異形の怪物に襲われて自ら命を落とし、彼の住んでいた館は怪物が徘徊する恐怖の館と化してしまった。人々はその館を「スプラッターハウス」と呼び習わし、決して近づこうとはしなかった。 大学で超心理学を専攻していた主人公リックとその恋人ジェニファーは、その話に興味を持ってウェスト館の近くへとやってきたが、折悪しく降り始めた豪雨に追われるようにして、館に足を踏み入れてしまう。たちまち怪物たちの魔の手が伸び、リックはなす術もなく打ちのめされ、ジェニファーは館の奥へと連れ去られてしまった。 絶望と共に薄れ行く意識の中、何者かがリックに呼びかける。その声の主は「ヘルマスク」。太古より覇者と共にありし伝説の仮面の精霊であり、身に付けし者に強大な力を授けてきた、人智を超えた存在である。呼びかけに応じてヘルマスクを身につけ超人的な身体能力を得たリックは、忌まわしきスプラッターハウスの奥底へ足を踏み入れる。 ジェニファーを救うべく、長い長い、悪夢の道へと……。 (PCE版の説明書より再構成)(*2) ゲーム概要 残機制・ライフ制併用の半任意スクロール方式の横スクロールアクションゲーム。 回復アイテムが存在しない代りにステージクリアごとにライフが1回復。スコアエクステンドもある。 ライフは初期4~最大5。ライフが0になると戻り復活となる。一部のステージギミックを除き、即死要素はない。 一部落とし穴が配置されてるエリアがあるが、全て下記のルート分岐地点の入り口なので落ちても実害はない。 各ステージは一部を除いて複数エリアから構成され、中には道中のルート分岐が存在するステージもある。ステージのスタートエリアとボス出現エリアはルート分岐があるステージでも共通。 永久パターン防止措置として、長時間画面内に留まっていると画面左側から「触れるとダメージを受ける紫色の霧」が迫ってくる。ボス戦では、飛び越すことがほぼ不可能な「青色の塊」が画面右端からゆっくりと迫って来る。 ジャンプ/攻撃の2ボタン。攻撃はプレイヤーの状況によりパンチ・キック、また横方向のジャンプ中にレバーを自キャラの進行方向の斜め下に入れつつ着地直前に攻撃ボタンを押すことで、パンチ・キック2発分の威力を持つスライディングキックができる。 ジャンプ中に攻撃ボタンを1度押すとジャンプキックに、連打するとパンチに変化する。ジャンプキックを登りで出すと、着地までにスライディングに移行することも可能。 スライディングキックは着地直前に進行方向とは逆方向に向いてコマンド入力する事で逆方向へ出すことが可能(通称「逆スライディング」)。後ろから来る敵の処理に重宝するテクニック。 更に壁に設置された槍や床に落ちている鉈、石、スパナ、斧、角材、散弾銃など、場所ごとのシチュエーションに合うような豊富な種類の武器も用意されている。 ただし、これらの武器は拾ったエリア内限定で、エリア突破時にその場に置いていく。エリアやステージをまたいで持ち越しはできず、また所持した状態でミスした場合も再スタート時にはなくなってしまう。 槍、石、スパナは投擲武器であり一回使うと無くなる。散弾銃には弾数制限がある。 評価点 ストーリーやタイトルから分かる通り、一貫してホラー映画ならではの不気味でおどろおどろしい世界観の演出に徹している。 生理的嫌悪感を催させるほどに練りこまれたドットグラフィックや、不気味さのみでなく一瞬の安堵・焦燥感・悲哀まで、雰囲気に合わせて盛り上げるBGMも好評。特にステージ4から5終盤・エンディングはBGMやよく動くドット絵が相まって屈指の名シーンとなっている。 「ポルターガイスト」や「デッドリースポーン」など有名ホラー映画のオマージュもちりばめられており、ホラー映画マニアであればニヤリとできる演出が多数ある。 キャラクターデザイン及びドットデザインは織田尚氏。氏は後に特撮やホラー映画の特殊メイク・アーティストとして活躍しており、その才能の片鱗が窺える素晴らしいグラフィックとなっている(*3)。 怪物のうめき声、地下水路に反響する音や攻撃時の効果音など、音響による演出もかなり効果的で、ホラー的な雰囲気をより引き立てるスパイスとなっている。 鉈による攻撃時の「スコーン!」というSEは思わず笑ってしまうほど軽く、敵の首が吹っ飛ぶ演出と共に暴力的な手段で敵をぶち倒す爽快感に一役買っている。 それ以外の武器でも倒した際の描写がそれぞれ異なるのも特徴。振り回した角材の一撃で画面奥に吹き飛ばされ壁に叩き付けられる、散弾銃で木端微塵になるなど、敵の倒れ方にも魅せるものがある。 また、残機表示が ホッケーマスク でライフゲージ表示が 心臓 と、細かいところまでこだわり抜かれている。 ホラーな外観とは裏腹に「キャラクターのグラフィックが大きなアクションゲーム」としてはかなりスタンダードなルールと高い完成度を持つ。 基本的にはプレイヤーキャラ側が強めな調整であり、プレイヤー自身の理解と上達が肝要。その上で、何度も繰り返せば自然と上達する程よいバランスを保っている。ボスもパターンがわかれば安定して倒すことが出来る。 ホラー映画のお約束的演出 特定のボス戦では、戦闘に勝利したと思って油断していると思わぬ反撃を食らうというギミックがあるが、それがある種のホラー映画のお約束的シチュエーションをうまく取り込んだものとなっている。 これまたお約束だが「鏡が並べられた廊下を恐る恐る通ると鏡の中から…!」といった、恐怖を煽りつつ大いにプレイヤーをビビらせる演出もお見事。 前述した通り、武器はホラー映画でよくお目にかかるような小道具(鉈・角材・散弾銃・斧など)が中心。リーチの長さと隙の大きさなど一長一短となっており、適材適所に使うこととなる。 終盤に入るとアイテムは一切出現しなくなるが、これはストーリー上の演出によるところが大きい。 スコアランキングにおけるデフォルトのスコア表示が「エントリーネーム="..."」かつ「ステージ1止まり」で統一されているところも意味深。いわゆる「序盤で殺害される名無しのモブキャラ」を表したとも、ステージ1で他の死体に紛れ込み名前の判別ができなくなったとも解釈できる。 スプラッターホラーの世界観を巧みに演出したBGM 本作のBGMはおどろおどろしさ、気持ち悪さ、恐怖感など、ちりばめられたホラー要素が的確に表現されている。 1面ボス戦における「戦闘終了と見せかけて最後のドッキリをくらわす」と言う上述のギミックでは戦闘開始から終了までの間できっちり終わるように尺が計算されている他、2面のボス「ポルターガイスト」においてはダメージを与えるに伴って敵の攻撃パターンが変化していくのに合わせ細かくBGMが変わっていくなど、場面展開に応じた音楽演出も巧みであり、ホラー的雰囲気を効果的に盛り上げている。 バロック調の宗教音楽風ながらアグレッシブで戦闘的な雰囲気を持つ4面ボス戦の曲や、悲壮感と神々しさも併せ持ったラストバトルの曲が特に人気が高い曲である。 絶望のなんたるかを思い知らされるストーリー内容(ネタバレ注意) 本作はACTとして名作であると同時に、世代によっては「欝ゲーの代名詞」とも言える作品でもある。 特にプレイヤーに衝撃を与えたのが、ステージ5のボス戦からである。 + ネタバレにつき、隠し表示 直前のステージ4のボス「イービルクロス」を撃破すると薄暗い教会内が窓から差し込んだ明るい光に照らされ、簡素な祭壇の前でパイプオルガンの讃美歌のようなBGMが流れる。 一瞬穏やかな雰囲気に包まれるが、直後に恐怖感を煽るかのような曲調へと唐突に転調し、それとともに女性の悲鳴が響き渡る。 「まさか今のはジェニファーの悲鳴では…」とプレイヤーに今後の展開への不安を植え付ける演出であるが、その予感は続くステージ5のボス戦にてこの上なく最悪の形で的中することとなる…。 群がる怪物を薙ぎ倒しながら迷路のように複雑な館内を突き進み、ようやくジェニファーと再会したリック。しかし時すでに遅く、彼女は異形の怪物に作り変えられており、ステージ5のボスとして襲い掛かってくる。時折、人間の姿に戻って助けを求めるジェニファーの姿に困惑するリック…。 人外の肉体と化した彼女を救う術があるはずもなく、リックを待ち受けていたのは、最愛の人を救うべく振るってきたその拳で、救うべき最愛の人を葬り去らなければならないという、あまりに皮肉で筆舌に尽くし難い、凄惨な悲劇であった。決着が付いた後、ジェニファーはリックの腕に抱かれながら、異形と化してしまった自分を死をもって救ってくれたことへの感謝と別れの言葉を遺し、塵となって消えてしまう。悲しみに暮れるリックを挑発するかのような怪物たちの態度に、彼の怒りは頂点に達する。 復讐の念に駆られたリックは館の最深部へと突き進み、ウェスト館に蔓延る怪物を生み出す魔性の源「マザー」を討ち滅ぼす。魔性の源たる「マザー」の崩壊と共に炎に包まれ崩壊していく館から脱出したリックが粗末な墓標の前にたどり着くと、突如、ヘルマスクに宿っていた仮面の精が墓の底に封じられていた魔性の怪物に乗り移り、襲い掛かってきた。ヘルマスクは館に迷い込んできたリックに力を貸すとうそぶいて利用していたのだった。全てを奪い去った者たちへの憎悪を込めて、リックは自分を始末しようと目論む「ヘルカオス」を叩き潰す。 戦いの末、ヘルマスクは砕け散り、戦いは終わりを告げる。炎上し崩壊する館を背に呆然と立ち尽くすリックの姿に物悲しいBGMがシンクロされ、悲愴感と寂寥感が漂うエンディングを迎える。そして、スタッフロールが終わると共に画面がゆっくりと下方へスクロールし、暗転したバックに砕け散ったヘルマスクの破片が映し出される。 …と突如、コナゴナになったはずのヘルマスクが元通りに復活。リック、そして感情移入しながら彼を操作してきたプレイヤーを嘲り笑うかのような高笑いを響き渡らせる。そしてENDマークと共にブラックアウト…。 先に進むほど絶望感に押しつぶされる道のりと、その果てに待ち受ける結末は、 前述の巧みな演出と相まってリックを実際に操作してきたプレイヤーの手と心に深く刻み込まれ、 当時のナムコのAC作品に稀有なバッドエンドとして名を残すこととなった。 往年のホラー映画的エッセンスを取り込んだ恐怖演出が前面に押し出されていた序盤・中盤に対し、自身の手でジェニファーを殺めるという最悪の展開を経て迎える終盤は、恋人を奪われたリックの怒りと憎悪の復讐劇へと転換し、「己の拳ひとつで怪物共を抹殺する」というバイオレンス的な雰囲気が強められていく。 それに伴い6面以降は攻撃アイテムが一切出現しない。6面のBGMのドスの効いた曲調もその転換をより強調している。 ステージ6のザコキャラはシャボン玉状の怪物の卵「エッグオバ」と、そこから産声とともに孵化する赤子の姿をした怪物の幼生体「オバ」のみであり、心臓の形状をした館を支える魔力の源であるボスの名称は「マザー」。 人間の胎内を思わせる臓物のような肉壁で覆われた一本道のフィールドを進みつつ「群がる怪物の赤子を潰し、そしてその母体をも自らの拳ひとつで完膚なきまでに叩き潰す」というステージ構成と演出の流れが背徳的な趣を醸しており、リックの心情やエンディングの寂寥感をより一層引き立てる効果的なスパイスとなっている。 本作の演出の特に優れた点として、ファンから賞賛されている部分である。 賛否両論点 それまでの王道的なナムコカラーから逸脱した残虐かつ暴力的なゲーム内容。 ここまでの記述からわかるように、全編にわたって徹底した残虐表現と暴力描写が施されており、これまでのナムコ作品の王道であったカラフルでポップな雰囲気など微塵もない。生身の人間の腐乱死体や白骨化した血まみれの欠損死体が至る所に散乱し、虫の息になりながら惨たらしく蠢く犠牲者などがひしめく壮絶な背景や、肉塊を突き破って出現する巨大ヒル、崩れた胎児のようなザコ敵といった敵キャラやボスキャラの描写など、生理的嫌悪感・不快感を覚えさせる描写に事欠かない。タイトルに恥じぬ力の入れようは大いに評価できるのだが、そういった描写が苦手な人や子どもがプレイするには刺激が強すぎる物となっている。 元より、ホラー映画(特に本作の内容のようなスプラッター系)がブームとなっていた時代に作られているため、ホラー映画ファンのゲーマーを意識した作風と言える。また、この手の血なまぐさいホラー映画がお茶の間で平然と放映されていたりと、コンプライアンスが叫ばれることもなく規制が緩い時代でもあった。 いずれにせよ、こうした残虐表現をふんだんに使ったゲームが国内のゲーセンで一般向けに稼動していたという事実は、規制が今よりも緩かったことを考慮しても異例ではある。後のナムコの作品群においても暴力性や恐怖演出が含まれる作品は散見されるが、本作ほど生々しく猟奇的な傾向に注力した作品は皆無といっていい。(*4) 問題点 ステージ6のみランダム性が強いため、その他のステージと違ってパターン化がしにくく、中間ポイントもないため若干難しい。 素手攻撃の際、秒間8~10連射程度に限り攻撃判定が消失する。パンチの伸び切ったグラフィックが表示されていないので見た目通り攻撃が当たらない状態になる。 インストラクションカードのスライディングキックの説明に誤りがあり「着地寸前でレバーを下に入れてアタックボタン」と記入されてるが、実際はゲーム概要で触れた通り自キャラが向いてる方向の斜め下に入れないと発動できない。 また、斜め下へレバーを入れ始めるタイミングも「横方向のジャンプ」「着地直前に攻撃ボタン」を満たしていればジャンプ直後からレバー入力しっぱなしでも成立する。 総評 スプラッターホラーをゲームという土壌で描き切きったことにより「自分自身で暴力を演出できる」という、当時のアーケードゲームとしては非常にセンセーショナルな作品であり、ナムコ作品としても異例の1作として、本作は強いインパクトとともに名を遺した。 ゲームとしては上達も目に見えて分かるバランスの良さを備えると共に、個性的な敵やワナの配置をかいくぐる楽しさに加え、プレイヤーの心理をくすぐる演出もあっていろんな意味で飽きさせない。 台詞やムービーに頼らず、ゲームならではの手法で物語を演出しきったスタッフの手腕も素晴らしく、名作としての素質を十分に備えている。 当時のユーザーからも概ね好評を得ており、現在に至るまで変わらずに一定の評価があることからもそのことが窺えるだろう。 海外でも高い評価を得ており、20年以上経った今でも多くのファンに愛されている。 移植 『スプラッターハウス』(LCDゲーム版 発売日:1988年) バリエより発売。3階層に分かれた館を登っていき、最後に控えているピギーマンを倒すことでクリアとなる。 『スプラッターハウス』(PCエンジン版 発売日:1990年4月3日/海外版(TG16):1990年4月21日) ナムコより1990年4月3日発売。PCEはFCより規制が緩かった為、一部に表現の緩和・削除といった変更点は存在するが、比較的アーケード版に近い移植となっている。背景の惨殺死体や蠢く犠牲者が削除されたり、ステージ1道中名物ともいえる鉈が削除されたことで敵の切断描写を発生させる手段が無くなるなど、一部の残虐表現がマイルド化されている。ステージクリア後の体力回復値の増加(といっても1つだったのが2つに増えただけだが)、無敵時間の延長など、難易度は若干下がっている。 ゲーム中のボイスは無くなり、BGMの曲数の減少(*5)と、ステージ開始時のアイキャッチ、オープニングデモ、エンディングデモの簡略化、ネームエントリーの削除など変更点が多い。 本作では鉈が削除された代わりに、ステージ4ボス・イービルクロス戦専用の武器であった斧と入れ替える形で色違いの「黄金の鉈」が追加されている。 海外版ではさらに、ヘルマスクの外観が変更される、キリスト教を連想させる描写の削除やそれに伴うボスグラフィックの差し替え(*6)(*7)、一部エフェクトの変更など、新たに変更が施されている。 『スプラッターハウス』(FM TOWNS版 発売日:1992年6月1日) ビングより発売。本体の性能の高さもあり、下記のWin版発売まで細かい仕様やバグも含め最もアーケード版に近い移植版であった。 『スプラッターハウス』(Win版 発売日(ULTRA):2003年11月20日/(遊遊):2004年4月9日) メディアカイトより2003年に発売。ほぼ完全移植。なつかしのゲーム移植『ULTRAシリーズ』の1作としてリリースされ廉価版も発売された。 後に同じくメディアカイトより上記シリーズの廉価版『遊遊シリーズ』にて2004年に再版された。 初期版ではBGMに不具合(モノラル出力になっている)があり、公式ページで差し替え用のWAVファイルが配布されていたが現在サポートは終了している(またメーカーが倒産している)。またいずれの版もBGMの音質が低くノイズが入っている。 『スプラッターハウス』(Wii バーチャルコンソール 配信日:(PCE): 2007年7月3日/(AC):2009年5月26日) 『スプラッターハウス』(PS3/Vita,/PSP -ゲームアーカイブス 配信日:2011年07月06日 ) Wiiのバーチャルコンソール及びバーチャルコンソールアーケード、ゲームアーカイブスでの配信。ゲームアーカイブス版はPCエンジン版のみ配信。 Wii版はサービス終了に伴いダウンロード不可。 『ナムコミュージアム』(Nintendo Switch 発売日 2017年7月28日 ) ナムコアーケードゲームのオムニバスソフトシリーズの最新作。アーケード版の完全移植を実現。 『アーケードアーカイブス スプラッターハウス』(PlayStation4/Nintendo Switch 配信日 2023年6月22日 ) ハムスターより配信。こちらもアーケード版の完全移植となっている。 続編・派生作品 『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』(FC 1989年7月31日発売 開発 ナムコ/ナウプロダクション) ご覧の通り『わんぱくグラフィティ』というサブタイトルがつき内容が大きくかけ離れた作品となっているが、「主人公はリック・ヒロインはジェニファー」という点は共通している。 残酷表現に対する規制が厳しかったことや、ハードそのものの制約も絡んだためか、キャラクターとグラフィックがコミカルタッチになり、残虐描写が除かれてアクションも簡潔化された「オリジナルとは別物の低年齢層向け作品」になっている。 とはいえ、ファミコンというハードとして見れば、おどろおどろしく不気味な雰囲気を醸し出すグラフィック描写やBGMの質は高水準で、単体のゲームとしては全く問題無く楽しめる出来である。 こちらは様々なホラー映画をパロディ化した演出が特徴で、ボスキャラの大部分が有名なホラー映画の怪物をパロったもの。ホラー映画ファンならニヤリとすることだろう。 本家とは別物とみなされがちだが、実は原作と意外な形でつながっている。詳細はリンク先参照。 『スプラッターハウス PartII』(GENESIS/MD 1992年8月4日発売 開発 ナウプロダクション) AC版から3か月後を舞台とするオリジナルの続編。アーケード市場の縮小と作品人気の高い海外を視野に入れ、当時シェアをSNES(海外版SFC)と二分していたGENESIS(海外版メガドライブ)向けにリリースされた。後に最終作ともどもメガドライブ版も販売された。 再び姿を現したヘルマスクに「ジェニファーを救う方法がある」と唆されたリックが、ヘルマスクの力を借り、復活の秘技が眠る隠された館を求めて化物と戦う。 クトゥルフ神話の要素を取り入れたダークファンタジー的な趣が強いシナリオとなっており、最終的にはジェニファーを生きた状態で無事救い出す結末となっている。シナリオ上ではヘルマスクとは表向きには最後まで敵対せず協力関係が続くが、エンディング時のヘルマスクのセリフが続編を暗示する内容となっており、更にスタッフロール後の演出が初代に似て後味が悪いものとなっている。 こちらもWiiのバーチャルコンソールにて配信された。(配信終了) また、2022年10月27日発売のメガドライブミニ2に収録された。 『スプラッターハウス PartIII』(GENESIS/MD 1993年3月19日発売 開発 ナウプロダクション) 『PartII』から5年後を舞台とする続編かつシリーズ最終作。恐るべき魔性の存在の復活を狙う者たちの暗躍によりスプラッターハウスと化した自宅マンションを舞台に、ジェニファー、そして彼女との間に生まれた息子デイビットを救うため、三度ヘルマスクの力を借りたリックの激闘が展開される。 過去作と比べてゲーム性が大きく変わっており、『ファイナルファイト』のようなベルトスクロールアクションになっている。 随所でストーリーの展開がテキストにて表示されるが、ローカライズ話されておらず表記は全て英語。 また、本作はマルチエンディング制を採用しており、各ステージに設定された規定タイム内にクリアできたかどうかにより、エンディングが全4種類(*8)に分岐する。 『Spllatterhouse』(PS3/360 2010年11月23日発売 開発 BottleRocket/Bandai Namco Entertainment) 北米と欧州でのみ発売された3D化によるフルリメイク作品。内容的には、初代をベースに続編の要素も取り入れたリブート的な作品となっており、原作三部作とは関連のない独立した作品となっている。 特筆すべきは凄まじいまでのゴア表現(*9)で、発売された地域でももれなく最上級レベルのレーティング制限(*10)を受けている。また、これらの表現がCERO Z(18歳以上のみ対象)であってもレーティングがクリアできないと判断されたため日本未発売となっている(*11)。また、ドイツでも当初は発売が予定されていたが、日本と同様本作のゴア表現がUSK(*12)のレーティングをクリアできないという理由により発売中止となった。 特典として原作三部作が丸々収録されており、ゲームを進めるごとに開放されていく。 ちなみに当初は海外外注での開発だったが、開発の著しい遅延と開発を請け負っていたBottleRocketの資金難によりスタジオが閉鎖されたため、2009年初頭にバンダイナムコの内部開発チーム(*13)が引継ぐことになった(*14)。 余談 バーチャルコンソール以降の移植版ではCEROによる対象年齢審査を受けているが、AC版・PCE版ともに特に表現の修正や書き換えがないにも拘らずレーティングはなんと12歳以上対象である。 上記リメイク作のように、近年の作品では3Dグラフィックを利用したよりリアルな残虐表現が散見されるようになったという背景もあるのかもしれないが、これだけの残虐表現が入っているのにもかかわらず対象年齢が12歳以上で済んでいるというのはやはり異例といえる(*15)。 作中のジェニファーの声は実は「開発チームの男性スタッフの声」に機械処理を施したものである。 実際のホラー映画などでも、男性に悲鳴を上げさせて録音した物を高速再生することで、女性の悲鳴の音源として使用する手法が古くから使われている。本物の女性の悲鳴よりも音声に厚みが増すとされている。 ステージ5の分岐ルートの選択次第では、2種類のゾンビ「リバイバルデッド」を操ってリックに差し向ける「マスターデッド」という敵キャラと対峙することになる(*16)が、倒されたリバイバルデッドを復活させる彼の呪文ボイスが、歌手・和田アキ子の若かりし頃の持ち歌「古い日記」のサビのフレーズと掛け声に聞こえるという空耳ネタが定着している。 ちなみにこの空耳ネタについてはFM TOWNS版の説明書の末尾に記載されているスタッフコメントでも言及されており「[実際の歌詞のフレーズ]~って言ってるそうですよ~」と記載されているのだが、実際の音声収録でこの通りに発声していたのかどうかは不明。 海外では本作の2年前に、本作とはまた違ったベクトルの残虐表現を含んだガンシュー『Chiller』が稼働している。詳細は割愛するが、かなり悪趣味な領域につっこんだ内容であり、あまりの酷さに納入拒否する店も多かったらしい。 規制が強まりゲーセンの存在がファミリー層にも浸透した今となっては、本作含めこのようなゲームが作られることも受け入れられる余地もないだろうが、裏を返せばいかに当時がおおらかな時代であったか、そしてゲーセンそのものがアングラ的な存在であったかの証といえるかもしれない。 PCエンジン版はテレビCMも放映された。 わずか15秒の映像だが、ホラー映画のエッセンスともの悲しいエンディングBGMの透明感あるアレンジ曲がマッチしており、見る人の恐怖心を煽り立てる完成度の高いCMとして話題になった。 バンダイナムコスタジオ制作のYouTube番組「ナムコミュージアムオブアート」第6回で本作が取り上げられた。 それによると、あまりもの企画のダークさに社内プレゼンの場の空気が冷ややかになったそうだが、当時社長であった中村雅哉氏は企画者の水野一実氏に「もっとやっちゃえ」と耳打ちして激励の言葉をかけたという。 また、2010年のリメイク版発売前の2003年頃にも、国内でのリメイクの企画が持ち上がっていたものの結局実現には至らなかったという。
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Tom Clancy s Ghost Recon 【とむ くらんしーず ごーすとりこん】 ジャンル FPS 対応機種 WindowsMac OSPlayStation 2Xboxニンテンドーゲームキューブ 発売元 Ubisoft Entertainment 開発元 Red Storm Entertainment 発売日 2001年11月14日【Xb】2002年3月22日 判定 良作 ポイント タクティカルシューターの代表作シビアな難易度と幅広い戦略性ストーリー性は薄め トム・クランシーシリーズ 概要 ストーリー ゲームシステム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 その後の展開 概要 リアリズムを重視した作風で知られる軍事小説家トム・クランシー氏が監修した作品の1つであり、後に複数の続編が登場した『ゴーストリコン』シリーズの第1作。 ただし、他のトム・クランシー監修のゲーム作品とは異なり、原作となった小説は存在しない。 ソビエト連邦の復活を食い止めるべく活動する米国特殊部隊「ゴースト」と、ソビエトの再建を目論む軍事勢力との闘いを描く。 ストーリー 2008年、世界は戦争の危機に瀕していた。 ロシアの首都モスクワでは過激な民族主義者たちが権力を握り、旧ソ連の再興を画策。 ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンなど、近隣の独立共和国は次々とロシアの傘下に入ってしまう。 ロシアの戦車はコーカサス山脈やバルト海の森に鎮座して南や東への攻撃に備え始め、世界は息を殺して待っているしかなかった。 しかし、ある少数精鋭の兵士たちにとっては、戦争はすでに始まっていた。 米軍特殊部隊グループ5、第1大隊、D中隊は、コーカサス地方のグルジア共和国に平和維持任務で派遣された米軍有数の先鋭部隊。この一握りのグリーンベレーたちは、まさに槍の穂先、第一の防衛線を担っていた。 最新の技術で訓練された、迅速で、静かで、目に見えない特殊部隊。 彼らは自らを「ゴースト」と呼んだ。 ゲームシステム 隊員6人・最大3チームで構成される特殊部隊「ゴースト」となり、部隊内の各チームの行動を指示しながら兵士の一人を操作して任務の達成を目指すステージクリア型FPS・RTS。 主に屋内への突入作戦を題材とする『レインボーシックス』とは異なり、東欧の開けた広大なマップが特徴。室内戦はあまり登場せず、平均交戦距離も遠い。 基本操作 WASDで移動し、Q/Eでリーン。Zでリロードを行い、Xで姿勢を低く、Cで姿勢を高くする。左クリックで発砲し、右クリックでダッシュ。 Nでチームの状態を確認し、Mでマップを確認する。Vでナイトビジョン、Lで双眼鏡が使用可能。 通常武器ではR/Tで画面ズームを行い、狙撃銃の場合はスコープを使用する。スコープ使用時はマウスホイールで倍率を変更可能。 F6キーをおすことでクイックセーブが、F7を押すことでクイックロードが可能。回数に制限はなく、いつでも使用できる。 部隊指揮 Shift/Ctrlを押すことで「スクワッド・セレクター」を開き、いつでも部隊指揮と操作キャラクターの切り替えが可能。 上方にチーム名、下方にマップがあり、移動させたいチーム(自分が操作中の隊員が所属しているチーム以外)を選択した状態でマップ上をクリックすることでその箇所に自動的に移動する。 また、画面左側には各部隊への待機(×)/警戒しつつ通常移動(矢印)/敵の攻撃を無視した全力移動(二重矢印)の切り替え、使用武器の選択といった指示を出すことが可能。 プレイヤーが操作中の隊員が所属するチームの隊員はプレイヤーに追従して移動や援護射撃を行い、それ以外のチームの目的地への移動や戦闘 ミッション進行 土地や建物などがシームレスに繋がった広大なマップに降り立ち、指定された作戦目標を達成して作戦区域からの離脱を図るタクティカルシューター。 合計16ステージで構成されており、各ミッションごとに市街地、森林、草原、軍事基地といったさまざまなロケーションが登場する。 達成すべき任務は捕虜救出、要人誘拐、敵拠点制圧、爆弾設置、戦車破壊などさまざま。クリアに必要な任務のほかにクリアしなくても良い追加任務もあり、全ての任務をクリアすることで雇用可能なスペシャリストが増える。 各クラス 各兵士は5つのクラスによって分かれており、外見や装備可能な重火器が異なる。 ライフルマン どの戦場でも活躍する、M16を装備した多目的クラス。サブウェポンとしてM9ピストル、グレネードランチャー、追加マガジン、双眼鏡を選択することができる。 本作におけるM16は比較的命中率が高く、きちんと育成すれば最終盤まで現役として使用可能。 サポートガンナー M249SAWを装備した、射程距離に難はあるが高火力のクラス。サブウェポンとしてサプレッサー付きM9、手榴弾、追加マガジンを選択することができる。 主に中距離戦で威力を発揮するクラス。機動力的なデメリットはないため、交戦距離の短い市街地などでは心強い。 デモリション 爆発物を扱うクラス。メインウェポンはM4カービンとほかのクラスに比べやや貧弱だが、その代わり設置型爆弾、クレイモア、手榴弾、対戦車ロケットランチャーを装備できる。 その装備の特殊性から、戦車の爆破ミッションや橋脚の破壊ミッションでは必ず編成しなければいけない重要なクラスとなっている。 スナイパー 狙撃銃を持ち、高い火力と射程距離を併せ持つクラス。サブウェポンとしてサプレッサー、ピストル、追加マガジン、M9ピストルを選択することができる。 開けた屋外マップなどでは非常に頼もしい戦力として活躍する一方で、メインウェポンの取り回しが悪く市街地や屋内戦、多人数相手の銃撃戦は苦手。 スペシャリスト 達成しなくてもクリア可能な追加任務を達成しておくとその次のミッションから恩恵として開放できる、4つのクラスの要素が入り混じった特殊なクラス。 装備できる銃器は通常のクラスよりも性能が高い特殊なものとなっており、また育成もある程度進んだ状態で雇用できるため優秀な戦力となる。 部隊編成・育成 ミッション開始時にプレイヤーは6人の兵士を選択することができ、それぞれアルファ、ブラボー、チャーリーの最大3チームにふり分けることができる。 作戦中は操作している兵士が所属するチーム以外のチームの行動を指示することが可能で、最後の一人でなければ操作キャラが死亡しても生きている別のキャラに切り替えることができる。 生存した状態でミッションをクリアした際、作戦に参加した兵士は各種パラメータを上昇させる育成ポイントを1つ獲得できる。しかし、銃創を受けて負傷した兵士はその次のミッションが終わるまで復帰できず、死亡した兵士が蘇ることはない。 評価点 賢いAIと、直観的に操作できる優秀な部隊指揮システム タクティカルシューターなだけあり、味方のAIは基本的に非常に優秀。狙撃兵を適切な位置に配置すれば人間以上の能力で的確に仕事をこなし、ライフルマン部隊を家屋の表口と裏口から同時に突入させれば特殊部隊然とした拠点制圧も楽しめる。 何も考えずに索敵無しで突っ込ませた場合であっても、敵の攻撃を確認した場合はそのまま進まずに立ち止まって自動で攻撃態勢に移るなど指揮の下手さもある程度カバーしてくれる。 スクワッドセレクター上での操作も、操作したい部隊を選んで行かせたい場所をクリックするだけと非常に単純。直感的にチームを指揮することができ、非常にストレスフリー。 パターン構築が容易な敵配置 敵の配置や増援の投入タイミングにランダム性はなく完全に固定。このため、一度倒されても再ロード時に場所を把握して先制攻撃ができたり、敵の増援がやってくる曲がり角にスナイパー部隊を配置して帰還ルートを確保するといった戦略が取れる。 初見では非常に難しいゲームではあるが、この把握しやすい敵配置とクイックセーブ機能のおかげで時間さえかければクリアは可能となっている。 使用していてストレスのない各種武器 武器の威力や命中率は基本的に非常に高く、デモリションクラスの持つ弱めのM4カービンであっても人間の敵を倒すのにはさほど苦労しない。 狙撃銃もブレが少なく当てやすいため、こちらが地形的に有利に立てば短時間で一気に目標を片付けることができる。 良好なMOD環境 比較的MODフレンドリーな作品であり、オリジナルマップからシステム周りまで大規模改造されたMODまでさまざまなファンメイドMODが存在している。本編をクリアした後であっても、それらを利用して楽しむことが可能。 賛否両論点 シビアな難易度 クイックセーブこそ可能なものの、同シリーズ初期作品の多くと同じく難易度は非常にシビア。その場に突っ立っていれば敵兵の恰好の的となってしまい、大抵の場合銃弾を一発食らえば即座に死亡してチームメンバーを切り替えなくてはならなくなる。運良く銃創状態のままミッションクリアしても治療に1ミッション分の時間がかかってしまい、その分の育成ができなくなってしまう。 死亡させたままでもミッションクリアは可能だが、最終盤で育成の進んだ兵士が足りずに詰む可能性が高いためロードしたほうが早い。 敵も固定配置だけでなく捕虜奪還を目論む増援兵の襲撃やトラックに乗った増援部隊の到着などに遭遇することがあり、ただマップの端から敵を殲滅していけば安全に進めるというわけではない。 手持ち武器が表示されない あくまで本作のテーマは特殊部隊の戦術シミュレーション。このため武器関連にあまりリソースは注ぎ込まれておらず、主観視点状態の際にクロスヘアのみで武器が表示されない。 非常に広い視界を確保することができ、またリーンしながらの発砲などの場面では武器に邪魔されず狙えるなど利点も多い。しかし一般的なFPSと比較するとやや画面は寂しく、銃の造形や操作自体に魅力を感じるようなミリタリーファンにとっては不満点となり得る部分。 薄いストーリー性 特定の人物が主人公という訳ではないため、ドラマチックなストーリーなどは用意されていない。作風は終始ストイックな空気感が漂う硬派なものとなっており、ゴーストの各兵士もゲームキャラクターとしては個性に欠ける。 その代わり、世界情勢に関してはトムクランシー作品特有の緻密な描写が活きており、ラストでの荒廃したモスクワ市街地戦など時代考証面でのリアルさは魅力となっている。 問題点 異常に高難度な戦車防衛ミッション ほかのステージはクイックセーブを駆使して慎重に行動すれば時間次第でクリアは可能なのだが、唯一、中盤の味方戦車と行動するミッションだけは勝手に侵攻していく戦車に合わせて先回りして敵を排除しなければならないため非常に難しい。 追加任務として「全戦車の生存」があるが、この任務を達成するには味方戦車の隊列を先回りして待ち伏せる敵兵、砲兵、戦車をすべて(*1)片づけていかなければならない。もたもたしていればすぐに追い越されて自滅してしまうため、達成するのは非常に難しい。 車両は利用不可 敵陣営は戦車やトラック、ヘリといった車両を利用して侵攻しているが、プレイヤー側は特殊部隊であり一部ステージに登場する味方戦車を除けば車両の恩恵に預かることはできない。 敵の増援を乗せたトラックを運転手だけ無力化した場合などであってもその車に乗ることはできず、終始徒歩での移動を強いられる。移動させたい部隊をスクワッドセレクターで自動で歩かせて到着後に操作部隊を切り替えるなど労力を減らす手段はあるが、マップが広いため結局どの方法であっても目的地への到着に時間がかかってしまう。 総評 優秀な部隊指揮システムと戦略的自由度の高いゲーム性から高い評価を獲得し、オープンフィールド型のタクティカルシュータージャンルの代表作のひとつとなった作品。 そのリアリズム最重視な高難度の内容から決して初心者向きではないものの、『レインボーシックス』などの特殊部隊モノを好む同シリーズのファンを中心に高い評価を獲得した。 現在もシリーズが続く長寿作品ではあるが、後のカジュアル化路線を嫌い本作のストイックな作風を是とするファンも多い。 発売からしばらく経った現在でもファンによって開発された大型MODが登場するなど、今もなお数多くのプレイヤーに愛されるタイトルである。 その後の展開 PS2/Xb/GCと当時の主要コンソール機に移植されており、ブリーフィングなどが日本語で吹き替えられている。 その他、Win版ではそれぞれ『Deseat Siese』『Island Thunder』というタイトルで2つの拡張パックが配信された。 なお、『Island Thunder』はXbで単独版が発売されていおり、PS2では拡張パックの要素を加えた完全版『Jungle Storm』が発売された。 前述のとおり現在もシリーズ展開が続いており、本作以降にも『Future Soldier』や『Wild Lands』と言った名作が生み出されることになる。 なお、2021年10月にはシリーズ初となる基本プレイ無料のバトルロイヤル『Ghost Recon Frontline』(PS5/XSX/PS4/One/Win)が発表されたが、1年も経たない2022年7月に開発中止が発表された。
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関修一の世界 キャラクターデザイン・ワンダーランド 画集発売日:4月21日 フジテレビ世界名作劇場などのキャラクターデザインで知られ、 現在でも第一線で活躍中のアニメの巨匠・関修一。 関修一が描くやさしさとシャイと芯の強さを秘めたキャラクターたちは、今でも大人気。 その代表作を集約した初の原画作品集が本書です。 1983年放送。南の虹のルーシーに続く世界名作劇場シリーズ第9作。Amazonインスタントビデオが配信開始。 第10作に牧場の少女カトリがある。 http //www.nippon-animation.co.jp/work/alpsmonogatari_watashinoannette.html 監督 楠葉宏三 原作 パトリシア・セント・ジョン 脚本 吉田憲二 キャラクターデザイン 竹松一生 美術 井岡雅宏、阿部泰三郎 美術補佐 松宮正純 色指定 宇野薫 撮影監督 黒木敬七 編集 瀬山武司 録音監督 小松亘弘 効果 伊藤修 整音 田中英行 音楽 広瀬量平 監督助手 中村憲由 アニメーション制作 日本アニメーション 脚本 吉田憲二 絵コンテ 楠葉宏三 黒川文男 横田和善 清瀬二郎 岡部英二 杉村博美 斎藤次郎 作画監督 竹松一生 佐藤好春 前田英美 Amazonインスタントビデオ:アルプス物語 わたしのアンネット Ep. 1 "アンネットとルシエン" 再生時間:25 分 初公開日/初回放送日1983年1月9日 ■関連タイトル DVD アルプス物語 わたしのアンネット 1 関修一の世界 キャラクターデザイン・ワンダーランド 世界名作劇場35周年記念 世界名作劇場 オープニング エンディング集 DVD 世界名作劇場・完結版 アルプス物語 わたしのアンネット 竹書房文庫 三田ゆいこ/アルプス物語 わたしのアンネット 日本アニメーション 世界名作劇場 主題歌・挿入歌大全集 第2集